AK-69(エーケー・シックスティーナイン)|日本のローカルから世界へ!名古屋シーンの筆頭株

By RollingStone Japan 編集部

こんな時代だからこそ、言葉の力と向き合いたい。そんな気鋭のラッパーをピックアップ!

同郷の先輩でもあるPHOBIA OF THUGらが築いたギャングスタ・ラップのシーンで、若きAK-69は自分のスタイルを地道に磨いていった。海外への留学経験もなければ、アメリカン・スクールに通っていたわけでもない。昔も今も愛知県小牧市で暮らす男の曲が、最新のUSヒップホップと比べて聴いても遜色のないクオリティとオリジナリティを維持できる理由。それはシンプルな話だ。「いい音源を作ることと、かっこいいライヴをすること。それに尽きる」と彼は語る。

「小学校1年生のときから剣道やってたんですけど、そのとき道場に掲げられてた『百練自得』って言葉が好きなんです。剣道でも音楽でも俺は天才肌じゃないんで、本当に努力でカバーするしかない」。高校をドロップアウトして少年院に行くことになった彼は、「母ちゃんを泣かせまくってた」と言うようにムチャをやらかしたこともあったようだが、同じタイミングでヒップホップに開眼。ひたすら曲を作り、ステージの場数をこなすことで、じわじわと頭角を現していった。インディペンデントにこだわり、小回りのきく活動スタンスで年間60本以上のショウを全国で行ってきた結果、彼のラップはライヴ感を増し、その語り口はギャングスタでありながら不思議と親しみやすい。

 2011年9月には名古屋・日本ガイシホールで1万人ライヴを敢行。その模様を収めた最新DVD『THE SOTRY OF REDSTA』は一見の価値あり。インディペンデントなのに、この完成度の高さ。「俺がインディにこわだる理由は、困難だとされている環境で何かを成し遂げたほうが単純にカッコいい——っていう、男の美学にこだわってるだけなんですけどね(笑)」

AK-69

エーケー・シックスティーナイン ● 1978年8月28日、愛知県小牧市生まれ。中学生のときに尾崎 豊の『放熱への証』を聴いて衝撃を受ける。その後、ヒップホップ・アーティストとして90年代後半から活動をスタートさせ、メインストリームからアンダーグラウンドまでを自在に行き来する。

『THE STORY OF REDSTA
CHAPTER 1&2』

MS ENTERTAINMENT
発売中
 

Text by Takuro Ueno (RSJ)
Photographs by Yoko Yamashita (SLANG)

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