SION ロングインタヴュー|人に言えるほど、俺は何かをしたんか? 俺も恥を知らなきゃいけないね

By RollingStone Japan 編集部

去年のフジロックで、SIONは怒りの歌を歌い、歴史に残るステージを観せてくれた。それから1年。新作『Kind of Mind』はいつものSIONらしい、“自分”の歌に溢れていた。では、SIONにとって歌とは何か?このロング・インタヴューで問うてみた。

——今回は、SIONさんの唄について、改めてきいていきたいなと。そもそもSIONが歌い出したのっていつだったんですか?

「ええとね、2つ目の高校を辞めた頃かな」

——高校、2つも辞めたんですか?

「正確に言うと、全部で3つ辞めてる(笑)。生意気なガキで、『なんだ、こんなもん!』って最初の高校はすぐ辞めた。ただ、体裁もあるだろうからって、違う学校に編入させてくれたんだよ。だけど、やっぱりムリでそこも1日で辞めた。でも、つまらんのだよ。『あれ? おかしいな。俺、 やりたいことをやるために辞めたくせに、やりたいことねぇじゃん』って思って。どうしたもんかなぁって。それで歌をちょっと書いてたなぁって思って(笑)。書いた曲なんて言ったって、ほんの10曲ぐらいだよ。でもこれで行こう!って、ギターを出してきて、とりあえず京都に向かった。まずは京都まで行って、歌わせてもらおうって。なーんも知らない田舎者だから、小さなライヴハウスでもスケジュールが決まってることとか、オーディションがあるってこととか、まったく知らないわけだよ。電話帳を調べて、あちこちに『歌わせてくれないですか?』って電話した。当たり前だけど、『は? 今?』って言われるわね。呆れたように笑われて。でもずっと、あちこち電話してね。そしたら親切な人がいたんだ。カレー屋だったんだけど、『ウチ、マイクも一応あるから、よかったらどうぞ』って。確か、ジュジュとか言う名前のカレー屋でね。カウンターで1人、テーブルで1人、カレーを食べてたな。そこで歌った。歌い終わったら、『もういいの?』ってお店の人がきいてきて。俺は『はい』って。『カレー、食ってく?』って言ってくれたんだけど、『ううん、要らん』って店を出て。本当になんもしてないよ。カレー食ってる人の前で、聴いてもらえたんだかもらえてないんだかもわからないところで、10曲歌っただけだよ。けどね、なんだろうな……バカみたいに充実しててね。店を出た時、『やったぜ!』って。やってねぇっちゅうの(笑)。でもその時これでいこうって決めた。そういえばその時SIONですって初めて名乗ったんかな」

——SIONという名前はどこから?

「うちの姉ちゃんが読んでたマンガかなにかにシオンって人が出てきててね。自分の名前(本名:藤野秀樹)の秀樹っていうのがあんまりだったので。好きじゃなくてね。『ヒデキ~♥』っていうアイドルの人がいたし(笑)。まぁ、カッコつけたんだね。50過ぎても歌ってるなんて思ってなかったからさ。23ぐらいで死ぬもんだと思ってたから。恥ずかしいです。なぁにがSIONだって。許してちょ(笑)」

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