THE ROCK FACTORY Vol.4 ライヴレポート

By RollingStone Japan 編集部

“夢の対バン”をコンセプトに掲げて誕生した本誌主催のTHE ROCK FACTORY。
7月13日、浅井健一、THE BACK HORN、SCANDAL、LAST ALLIANCEを迎えて開催されたTHE ROCK FACTORY VOL.4 powered by BACARDIの模様をお届けする。

“夢の対バン、というと少し大げさに聞こえるかもしれないけど、巷では季節問わずロックフェスやライヴイベントが繰り広げられている今、ほかではお目にかかれないラインナップの音楽イベントを目指そうと昨年始まったのが、本誌主催の「THE ROCK FACTORY」だ。SHIBUYA-AXを会場に、今回で4回目となる「THE ROCK FACTORY」。7月13日、この日のラインナップは浅井健一、THE BACK HORN、SCANDAL、LAST ALLIANCEだ。本来出演予定だったcoldrainがメンバーの骨折によりキャンセルとなり、代わりにLAST ALLIANCEが参加。

イベントの2日前というオファーだったが(しかもcoldrainのピンチヒッターという形で)、急遽出演を快諾してくれたLAST ALLIANCE。「熱くロックしていきましょう」という安斉龍介(ヴォーカル、ギター)のひと言でスタートしたその演奏は、彼がライヴ中のMCで話していた「10年間、歌もの的な要素を大事にやってきたバンドです」という自負が示すように、その荒々しいアンサンブルの中心にどっしりと構えていたのは “歌”だった。ザラついたギターと力強いリズム、刹那的なヴォーカル・メロディで、真っ直ぐな衝動をぶつけてくるギター・バンドである。coldrainとはレーベルメイトでもある4人組は、突然訪れたライヴの舞台にもかかわらず、堂々と自分たちの役割を果たしていた。

ドラムのRINAが「私たち、年に一度はゴリゴリの面子の中に交じってライヴをする日があるんだけど、確実に今日がそう」とMCで話していたように、男のバンドに交じって紅一点のガールズ・バンドとして今回のイベントに参加してくれたのは、SCANDAL。6月のライヴハウスツアーで彼女たちのパフォーマンスは観たばかりなのだが、いつものようにポップで軽快な響きのロックンロールを鳴らしつつ、派手な煽りは控えめに音楽そのものに身を任せていたような姿が印象的だった。今年に入ってから取り入れている横一列のフォーメーション(ドラムセットもステージ前方にある)もいい感じで、4人の一体感でバンドの演奏が高ぶっていく感じが生々しく伝わってきた。最後は必殺の「太陽スキャンダラス」で終了。

THE BACK HORNのメンバーがステージに揃った時、その場がピリッとした空気に包まれた。結成15年目を迎えるバンドならではの存在感。1曲目は勢いのある「シンフォニア」だ。山田将司の真摯で感情豊かなヴォーカルに絡みつくように、ギター、ベース、ドラムが渾然一体となり己のロックを表現していく様は、とにかくスリリング。そして圧巻だったのはラストを締めくくった「世界中に花束を」。この曲は東日本大震災の被災地に向けたチャリティソングとして、震災後すぐに世に発表されたものだが、“静寂と救いのオルタナティヴ・ロック”と呼ぶに相応しいディープでエモーショナルなサウンドと歌は、その瞬間を切り取るような鋭さだけではなく、彼らの人間力による“強さ”が十二分に感じられた。そして深い余韻を湛えて、この日最後のアーティストを迎えることになった。

トリを飾ったのは浅井健一。それまでにステージに登場したバンドとは明らかに異なる“色気”がある。3人編成のシンプルなバンドなのに、彼が奔放にギターを掻き鳴らしただけで、その音楽の世界観というかストーリーが実感を伴って伝わってくる。理屈なんか必要ない。その刺激的なサウンドと歌で、オーディエンスをどこかへ誘ってくれるのだ。「ちょっと夏っぽい曲やるわ」と言って始めたのは、JUDEの「海水浴」。この曲、10年前に発表されたものなのだが、その輝きはまったく色褪せていない。本編終了後のアンコールにプレイした「LOVELY」も同時期のJUDEのナンバーだが、それ以外に披露したソロ名義やPONTIACSの曲なども含めて、昔から一貫して絶対にブレない芯がそこにはある。今回の「THE ROCK FACTORY」を締めくくったのは、浅井健一というアーティストの生き方でもあった。

あらゆる世代が活躍している今の日本の音楽シーン。先駆者たちが現在も第一線にいられるのは、それだけの理由がちゃんとあるということだ。

Text by Takuro Ueno (RSJ)
Photogprah by Kazuhiko Tawara

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