煙たい男たち|Case7 ロバート・ハリス

By RollingStone Japan 編集部
圧倒的な目力と説得力のある低い声。
齢66とは思えないほどのエネルギーを放つ男の、奔放な人生に迫る。


自由、放浪、旅……。そんな言葉に一度でも魅せられた者なら、この男の存在を知らない者はいないと思う。男の名前はロバート・ハリス。すでに10数冊を数える著書のほとんどは彼のヒッピー時代、あるいは旅、放浪の経験から書かれていて、自由を求める者たちのバイブルとなっている。その著書を知らなくても、ハリスの声を聴いたことがある人は多いだろう。1992年のJ-WAVE「Across The View」を皮切りに、同局を中心に数多くのラジオ番組のDJを担当してきた。彼の甘い声と、その声とは裏腹な、人生そのままの自由奔放なトークにリスナーは魅了されてきた。

人生の大半を占める旅は、高校生から始まったという。高校を卒業する頃には、日本国内の行きたい所はほぼ制覇してしまった。そこでバイトをし、海外に行くことを決める。行き先はロシア。理由は明快、渡航費も滞在費も安いからだ。横浜から船に乗り、ロシアへ渡った。そして今度はシベリア鉄道に揺られた。行き着いたのはストックホルム。すると次は南を目指して旅を続け、気がつけばインドに辿り着いた。ほんの少し海外での旅を楽しむ予定だったが、結局半年、放浪した。

69年には、アメリカへ向かう。ヒッピーになり、〝あらゆること〟を経験した。大学は日本の大学へ行ったが、卒業後、71年から再び長い旅、放浪へ。最終地オーストラリアのシドニーでは、書店を経営した。

「EXILES」と名づけたその店の始まりは、バイトからだった。シドニーに着いたハリスは書店でバイトをし、やがて店長にまでなった。責任ある立場となったので、スーツを着て、毎日定刻に出勤。業務もきちんとこなしていた。そんなある日、ふと気づいてしまう。「俺、放浪してシドニーに来たのに何をしてるんだ?」。翌日にはその店を辞めた。そして、街をぶらぶらしていたところ、いい感じの書店が目に止まった。中に入って店主と話していると、店を手放すことを考えていると言う。そこで、ハリスは買い主に名乗り出ることを決意。自身のブックショップをスタートさせたのだ。

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