KOHH − 思ったことを歌にするとそれが現実になる確率が間違いなく上がるんですよね

By RollingStone Japan 編集部 2015/11月号 P48〜51 |
ローリングストーン日本版2015年11月号/CLOSE-UP/KOHH Photographs by Ryugo Saito
昨年7月にリリースした『MONOCHROME』以降、急速に認知度と支持率を高め、いまや本人が望むと望まざるとにかかわらず、日本のヒップホップを象徴する存在となったKOHHのサード・アルバム『DIRT』が完成した。早速アルバムを聴かせてもらったのだが、KOHHがまたもやネクストレベルに歩を進めたことはあきらかだった。本作はトラックのムードもラップの筆致も陰影に富んだものが多く、その全体像から浮かび上がるのは、彼の死生観である。死を強く意識し、今ここで湧き上がる生の脈動をいっさいの淀みなく歌うということ。ドープなビートを擁したトラックと濃密に交わりながら、死から逃避するのではなく“俺はまだ死ねないんだ”と咆哮するようなラップを浴びて、かけ値なしに高揚する。KOHHはここから何を叶えようとし、どこへ向かおうとしているのか。並ぶ者なきリリシストの現在地に迫った。

─『MONOCHROME』のリリース以降、右肩上がりに高まっている世の中の期待値はKOHHさん自身も感じていると思うんですけど、どうですか?

「『MONOCHROME』以降は……どうなんですかね? 自分的にはあんまり実感してないんですけど。でも、確かにライヴのお客さんの数が昔よりは増えたなとか、ライヴをしていてもみんな昔より俺と一緒に歌ってるなとか、外に出たら声をかけられる率が上がったなと思いますね。それくらいですかね」

─ただ、確実にステップを踏めてる実感はあるんじゃないですか?

「そうですね。曲の中で“クルマが欲しい”とか、“雑誌の表紙を飾りたい”とか歌ってきて、それがどんどん思い通りになってますね」

─そうなると確信していただろうし。

「確信はしてなかったですけど、そうなったらいいなとは思ってましたね」

─信念も欲望も淀みなくラップしてるから、この人の曲を聴きたい、そのために対価を払いたいというリスナーとのシンプルな関係を築けてると思うんですよね。それがホントに素晴らしいなと思っていて。

「そうだったらうれしいです。俺はその時思ったことを歌ってるだけなんだけど、思ったことを歌にするとそれが現実になる確率が間違いなく上がるんですよね。それがわかったというか。俺が思ったことを歌にして、その歌をいろんな人が聴いて、聴いた人が『KOHHならやれるだろ』って口に出してくれたら、さらに目標に近づけると思うんですよね」

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