LIVE REPORT Rolling Stone presents CIRCUS

By RollingStone Japan 編集部

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 5月31日、東京・恵比寿のLIQUIDROOMで、本誌主催のヒップホップイベントRolling Stone Presents CIRCUSが開催された。シーンを牽引する若手と日本語ラップの礎を築いてきたレジェンドが集結し、本誌初の試みを盛り上げてくれた。

 幕が開くと、椅子に縛り付けられうなだれた男がスポットライトに照らされている。予想外の演出にざわめく会場に、「帝国のマーチ」(ダースベイダーのテーマ)が鳴り響く。山梨県出身の5人組、stillichimiyaのショーの始まりだ。何者かが彼らのライヴを阻止しようとしているという設定で、ソロやスキットをはさんでコミカルに進む。ラストには無事全員が揃い、昨年発表されたアルバム『死んだらどうなる』から「ズンドコ節」のマイクリレーで締めくくる。同アルバムのMVはシュールなドラマ仕立てになっていて、エンターテイナーとしてのセンスが光る。そのエンタメ魂は、ライヴでも炸裂していた。

「今日はたくさんの怪物が出てくると思うけど、ここからは僕の時間です」と登場したのは、2組目のSALU。軽やかにステージを飛び回りながら「超簡単だぜ」と、おちょくるように笑ってみせる姿には、シリアスになりすぎない軽快さがありながら、どこかつかみどころのない不思議な魅力がある。メジャーレーベルからリリースされた2枚のアルバムの曲を中心に組まれたセットリストは、パーティー・チューン「WEEKEND」や、応援歌的な「In My Life」などキャッチーで明るい曲が多かった。一方でMCでは「これからは自分のためだけに音楽をやっていく所存です」と、含みを持たせた発言を挟み、一筋縄ではいかない一面を見せた。

 日本語ラップだけをつないだDJタイムをはさみ、3組目に登場したのは、いとうせいこう。日本語ラップの先駆者の登場を、若いオーディエンスが背筋を伸ばして見守る。ステージに上がると、早々に日本語ラップ黎明期を代表するアルバム『MESS/AGE』からタイトル曲など3曲を披露し、オータコージの生ドラムを交えたポエトリー・リーディングのセッションへと移った。マルコムXやキング牧師のスピーチがラップの文化に大きく影響したように、ラップのルーツにはカリスマティックな思想家の言葉と話術がある。「悪への衝動があるならば善への衝動もあるのではないか」「善のネーションよ応答せよ」と力強く語りかけるいとうせいこうが見せたのは、まさに先導者としての姿だ。

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