煙たい男たち|Case24 渋川清彦

By RollingStone Japan 編集部
好きに理由はない。好きなことにただのめり込み、本質を掴み取る男。

不思議な存在の役者だ。この記事用に煙草を吸いながら撮影した。トム・ウェイツのようというか、ジム・ジャームッシュの映画の登場人物とでもいうか、この男が吸っていると不思議と自分も煙草が吸いたくなる。男が当然嗜むべきものに見えてくる。聞けば、煙草は本当に好きなんだそうだ。いつから吸っているんですか?と聞くと、大概の役者は「それはちょっと言えないよ」とはぐらかすが、あっさり「中学生の時」と答えてくれた。

俳優、渋川清彦。もともとドラムに惹かれ、上京する口実も兼ね、東京で音楽の専門学校に通いながらバンドをやっていた。が、一年で辞めてブラブラしているところを米写真家・ナン・ゴールディンに声をかけられ、そこからモデルになった。モデルとしても不思議な存在感を放ち、媒体やショーで活躍。そして98年に豊田利晃監督の『ポルノスター』で映画デビューして以来、個性派監督の作品に呼ばれ続けている。それにしてもゴールディンがこの男を撮りたくなった気持ちがよくわかる。目の前に座っている渋川からは何とも言えない空気感が漂い、写真や映像で切り取りたくなる。いつからこんな感じなんですか?とストレートに聞いてみたが、本人は「さぁ。自分では特別な存在かどうかもわかってないんで」と答える。渋川のこの空気感、存在感がどこから来るのか知りたくて質問を幾つか重ねた。最初は音楽について。渋川が最初に好きになった音楽は地元、群馬のバンドBOØWY。その後サイコビリーバンド、フレンジーの「サーフィン・バード」を聴いてすごいなぁと心打たれ、ロカビリー、さらにサイコビリーにハマったそうだ。何がすごかったの?と深追いをすると「カッコよかった。歌詞なんかほとんどないんだけど、なんかドロッとしてて。あの速さもスラップのカチカチっていう音も身体を熱くしてくれるし。そこから映画も50’Sにハマった」と教えてくれた。

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