『スター・ウォーズ』キャラクターランキング ベスト50|2018年度改訂版

10位 BB-8


『フォースの覚醒』で、主人公の後をくるくる転げまわっていたドロイドは、少々ドジなところもあるものの愛らしく、インスタグラマー、特に若い世代のファンの間でお気に入りの座を獲得した。だが、ジャー・ジャー・ビングスのような過去のおちゃめキャラとは違い、我らが球体ロボットは優れた宇宙的センスを備えている。ストームトゥルーパーの脱走兵を助け、レイに向かって親指を立てるシーンは映画の笑いどころのひとつ。それほど驚くトリビアでもないが、BB-8の声は、ビル・ヘイダーとベン・シュルツの声をデジタルサンプリングしたものだ。この2人のコメディアンが、J.J.エイブラムス監督と特殊効果アーティストのニール・スキャンランが生んだキャラクターに命を吹き込んだ。

9位 オビ=ワン・ケノービ
Photo:Photofest

新三部作のユアン・マクレガー演じるオビ=ワン・ケノービは少々ひ弱な印象だったが、本来ジェダイの騎士は、フォースをコントロールするために必要な忍耐、英知、鍛錬を具現化したものだ。オビ=ワン役を演じたアレック・ギネスのスターウォーズに対する軽蔑は周知の事実であるが、それはさておき、旧三部作の”オールド・ベン”ケノービとしての厳粛さは、ルーカスが考える「英雄とはどうあるべきか」ということを表している。オビ=ワンの「勇気と良識の規範」という教えを、アナキンとルーク・スカイウォーカーは追従し、さまざまな成功にたどり着いた。数々の欠点にもかかわらず、新三部作は、オビ=ワン・ケノービのバックストーリーを加え、”なぜルークを連れて来ることにそんなに慎重なのか”、また”なぜアナキンへの指導の失敗をそこまで後悔するのかを”明らかにしながら、キャラクターに深みを与えている。あとは”ジェダイの”マインドトリック”の手引きがあれば完璧だったのに。

8位 R2-D2


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心配性のパートナーC-3POがやきもきしたり、小言を言ったり、通訳したりしている間に、皆から愛される小さなR2-D2は、通信音や電子音を鳴らしながら厄介な状況を切り抜ける。帝国の艦隊との空中戦でウィングマンが必要?「ピポ、パポ、ピュルル」反乱同盟軍の仲間がゴミ圧縮機に潰されかけている?「ピー、ビー、ピポ、ピポ」体を切断されて狼狽したC-3POが地面でうごめいて助けを求めている?「ピポ、パポ、ピュルル…」R2-D2はすぐに対処してくれる。このドロイドは、ドリンクをサービスする機能だってある。R2-D2はヨーダと共に、全6作を通じて突出した能力の持ち主であり、窮地を脱するのに頼りになる存在だ。唯一の欠点を挙げるなら、簡単に転倒してしまうところだろうか。

7位 レイ


『フォースの覚醒』で初登場した砂漠にすむヒロインが、あまりにも何でも器用にこなすので批判の声もあがっているが――パイロットでエンジニア、フォースの担い手でもあり、ライトセーバーの腕も一流、しかも脱走の名人――2つの点を見逃してはいけない。ひとつは、彼女がたびたびフラッシュバックを経験するということは、彼女には見かけ以上に謎めいた過去があるということ。ジェダイ修業時代の記憶が葬り去られていたとしても驚くことはあるまい。もうひとつは、この役をきっかけに花開いたデイジー・リドリーが見ていてすがすがしいということ。陽気な場面でもメロドラマ的な場面でも、スクリーンの上での存在感は見るものを惹きつける(同じことは、『ローグ・ワン』のジン・アーソにも言える。まるでレイと血がつながっているのではないかと思うほどだ)。もし彼女がスター・ウォーズの世界の新たな「選ばれし者」なのだとしたら、ルーカス・フィルムの制作陣は正しい選択をしたと言える。

6位 ルーク・スカイウォーカー

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旧三部作の新のヒーローは、シリーズの中で一番控え目な好青年だ。田舎の生活に満足できない少年ルークが、このスペース・オペラを力強く支える理由は、彼がフォースをマスターした後でさえ、私たちと同じように見えるからだ。何十年にもわたり続いてきた惑星間の民主化闘争の中心的存在であるルークは、心優しいが気まぐれな面もあり、自分の力を正しく使えているか確信を持てないでいる。スター・ウォーズを単純な善と悪の物語だと考えている人は、ルーク・スカイウォーカーをじっくり見るといい。彼は窮地を脱した時でさえ、今にもダーク・サイドに惹きこまれそうになっているのだ。

Translation by AKI URUSHIHARA and Akiko Kato

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