『スター・ウォーズ』キャラクターランキング ベスト50|2018年度改訂版

5位 レイア姫
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いまごろ映画製作のお偉方が、ヒット作には「活動的な」女性の主人公が欠かせない、とかホザいているとしたら、40年も前にレイア姫を生み出したルーカスにかなり遅れをとっていることになる。旧三部作の中心的なヒーローといえば、ルークとハンかもしれない。しかし、この物語に不可欠な要素をもたらすのはレイアであり、しかも彼女は銃だって使いこなせるのだ。レイア姫を演じた故キャリー・フィッシャーは、台詞のひとつひとつにウィットをきかせ、利口だが"かんしゃく"持ちのキャラクターを、単なる囚われの姫君で終わらせなかった。シリーズ第1作目(それに2作目も)のルークとのキスシーンは消せない事実だが、『帝国の逆襲』でのハンとのラブ・ストーリーが素晴らしいのは、ふたりの対等な関係や、銀河系で最も意思の強い男女が互いに夢中なことに気づくところにあるのではないだろうか。『ジェダイの帰還』の挑発的な奴隷姿のシーンについていえば、レイア姫はジャバを虜にしている間にジャバを殺したのを忘れずに。
キャリー・フィッシャーのご冥福を心からお祈りする。

4位 ヨーダ

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優れた指導者の多くがそうであるように、ヨーダもそう簡単には弟子に教えを授けてはくれない。重要な人生の教訓を手取り足取り教えるよりも、自分の力で答えを導き出すのを待つタイプだ。(「主語+動詞」の語順から大きく逸脱して会話するキャラクターを、他にどう説明できよう?)『帝国の逆襲』に登場する小柄なジェダイ・マスターは、人間以外のキャラクターのなかで最も際立ったひとりであり、ヨーダの操作を担当したマペット・パフォーマーのフランク・オズは、すぐに連帯感を抱いた。(後にこう説明している。「ジム・ヘンソン(※セサミストリートを始めアメリカを代表するマペット・パフォーマー)がヨーダのスケッチを見せてくれた時、すぐにしっくりきたんだ。そんな気持ちになる前に取り組まないといけない場合もあるけど、すごくいいと感じたんだ」)ルーカスはコンピューター・エフェクトを使用せず、できるだけ実在に近づけることによって、ヨーダとルークとの間に父と息子のような親密で温かい関係を創り上げた。そしてこれが『帝国の逆襲』の中で描かれる、登場人物の感情の変化に重要な影響を及ぼすこととなる。一方で、ルーカスは新三部作では魂のこもっていないCGバージョンを採用した。賢明な決断とは思えないが…。

3位 ボバ・フェット
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みんなの人気者、銀河系のバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)、ボバ・フェットは『帝国の逆襲』で初めて登場し、ジャバ・ザ・ハットの依頼でハン・ソロを追跡する。しかし、スター・ウォーズのハードコアなファンには、以前からよく知られた存在で、1978年にカリフォルニアで開催されたパレードのキャラクター行進で姿を見せたり、同78年に放送された悪評高い『スター・ウォーズ・ホリデイ・スペシャル』にてアニメ化され登場。ジャンゴの幼き息子のクローンは、スクリーンデビューする以前から人気者だったのだ。旧三部作にはわずかしか登場していない彼が、なぜそこまで人気なのか不思議に思うかもしれない。もう一度言おう。銀河系の、バウンティ、ハンター(賞金稼ぎ)。装甲服に身を包み、ロケット・ランチャーを装備したその姿。新三部作にフェット一族がこれほど必要だとルーカスが感じたのもうなずける。登場人物の中には、舞台袖でじっとしていられず、戦いのまっただ中へ身を投じるものもいるのだ。

2位 ダース・ヴェイダー

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旧三部作では、夢見がちなティーンエイジャーが銀河系を救う選ばれし者へと成長する物語を描いている印象を受けるが、新三部作は「スター・ウォーズ・ユニバースの栄枯盛衰や、最終的なルークの父の救済が、もし本当にあるとしたら?」とあたかも問いかけているようだ。旧三部作の魅力を保ちつつ、エピソード1~3は、感受性が強く少し生意気な少年アナキン・スカイウォーカーが、いかにしてジェダイのパワーを身につけ、美しい姫と恋に落ち、そしてダークサイドに堕ちていったかを語り、ついにはダース・ヴェイダーとなる物語として理解を深めることができる。ジェイク・ロイドとヘイデン・クリステンセンの演技に文句があれば、好きなだけどうぞ。実際、彼らの演技はひどいものだった…それでもなお、中心にある構想は説得力があり、観客に、旧三部作に対する解釈を改めて問う。そして、ダース・ヴェイダーは抵抗しがたい邪悪な存在というだけでなく、映画史上で最も人を惹きつける悪役のひとりであり、救いを切に求める悲劇的な人物なのである。

1位 ハン・ソロ

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「愛してるわ」「わかってる」
銀河系でいちばん有名な愛の告白への返事である。しかしハン・ソロは、単なるうぬぼれた無法者ではない。ならず者から反乱軍のリーダーとなるこの男は、ジョージ・ルーカスが創った最もユニークなキャラクターとはいえないが、この向こう意気の強いファルコン号のパイロットは、旧三部作で必要不可欠な存在である。
ハリソン・フォードの古典的な男らしさ、口元をゆがめた笑顔、カジュアルなスタイルで悠々とギャラクシーを旅するその姿は憧れの的であり、旧三部作に活力を与えている。ウェスタン・ヒーロー、探偵、そして反逆者をひとつにしたようなキャラクター、それがソロなのだ。ルーカスはこれまで自分が好きだった映画のヒーローを組み合わせることによって、新たにファンを魅了した。彼の魅力や、搭乗する宇宙船、そして、「誰が最初に撃ったのか?」の論争(もちろんハンである)はさておき、コレリアンの密輸業者同士の紛争は、ハンを物語で最も複雑なキャラクターにした。
夢想的なルークが、フォースや差し迫った反乱をすぐに受け入れるのに対し、ハンは私たちと同様、そう簡単には納得しない。いまだシリーズのなかでも最高傑作との呼び声が高い『帝国の逆襲』では、ハンは不完全なヒーローとして対立する勢力に立ち向かう。深く根付いた生存本能により頑固かつ大胆無礼に振舞うも、レイアへの愛情と反乱軍に対する道徳的義務に心を揺さぶられるハン。
彼の優れた直感、技量、情熱は、ファルコン号が小惑星帯をすり抜けていくように、意外な展開を見せる物語へと私たちをいざなう。ただ、ハンには決して無事に通過できる確率(生存確率数千分の一)を話さないほうがいい。

Translation by AKI URUSHIHARA and Akiko Kato

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