ジョン・メイヤーとグレイトフル・デッドのボブ・ウィアーが語る、来たるべき「デッド&カンパニーツアー」

同じく電話でのインタビューに参加していたボブ・ウィアーもジョンの努力を認める。「このバンドに対するジョンの熱意は素晴らしいよ。信じられないくらいだ」と彼は言う。「彼は歌を練習し、極めて熱心に取り組んでいる。そして素晴らしいギタリストだ。彼は完全にこれに打ち込んでいるよ」

メイヤーはグレイトフル・デッドのメンバーが厳しい面々であることも知っている。「プレッシャーは感じていない。でも責任感を感じていると言えるだろう。僕は手元にある課題に集中しすぎていて、曲の流れがうまくいっていないことは考えられない。うまくいっているのが聞き取れても、その30秒後にはうまくいっていないように聞こえる。そしてそれが僕に懸かっているんだ。いつでも僕がそれをうまく取り計らうことができるかのようにね」

グレイトフル・デッドのメンバーはまだ「Fare Thee Well」の公演のハイ状態にある。「観客が素晴らしかったからいい演奏ができた」とドラマーのミッキー・ハートは振り返る。「あんなに観客を感じたことはなかった。彼らが持っていたスピリットは、そうだな、まるでステロイドのようだった。素晴らしい、本当に素晴らしい気持ちだった。僕たちはたくさんの人たち、とても熱狂的な人たちに向けて演奏している。でもあんな夜はこれまでになかった。特にシカゴではすべてが結晶のようになって、魔法とも錬金術ともいえるような感じで一体化したんだ。そうとしか説明できないよ」

グレイトフル・デッドの公演に出演した中で、唯一、フィル・レッシュだけがデッド&カンパニーに参加しない。しかしウィアーは彼がバンドとともにステージに登場する可能性を完全に排除したわけではない。「そういうことが起きるのではないかと期待している。もし僕たちのいる場所が……彼はニューヨークに家を持っているけれど、ここカリフォルニアで過ごしていることが多いんだ」とウィアーは我々に語った。「でも彼はツアーに出ることを望まない。彼は今75歳だ。ツアーは彼の選択肢にはないんだ。彼の言い方で言うとね。そしてここが僕たちのいる場所だ。ここで僕たちはまだ生きて行く。少なくとも僕はね。だからもし僕たちが彼に会うならここの近く、もしくは彼がいる場所の近くで会うことになるだろう」

「Fare Thee Well」の公演が“コア・フォー”—ウィアー、レッシュ、クルーツマン、ハート—が集結する最後の公演だと宣伝されていたことはさておき、デッド&カンパニーの公演にレッシュが参加するのは明らかに思えるだろう。ウィアーは今「Fare Thee Well」のメンバーでの活動が終わったとは言い切れないことを認めている。「そうだな、僕はただ前に進み、こういうだけだ。終わっていない仕事があるような気がする、ってね。昨日ビリーが指摘したように、僕たちはこの夏、東海岸に行っていない。それに50周年記念の予定もない。でも僕はこの案を喜んで受け入れるよ」

「Fare Thee Well」のメンバーが再結成することがあるのか、ともう一度確認するとウィアーは一瞬、間を置きこう答えた。「今はそれが何になるのか、どういうことを意味するのか、まだ漠然としか考えていない。それをつついて起こすようなこともしたくないんだ。でもさっき言ったように僕はいつでも受け入れるよ」

Translation by Yoko Nagasaka

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