ガンズ・アンド・ローゼズのクレイジーな瞬間50選(前編):1985年〜1989年


1987年7月21日:『アペタイト・フォー・ディストラクション』のジャケット、議論を呼ぶ
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議論を呼ぶことにかけてのガンズ・アンド・ローゼズの才能は、プロとしてのキャリアがスタートした直後から抜きん出ていた。デビュー・アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』のジャケットアートのオリジナルは、レイプ被害者に襲い掛かるロボットにさらなる巨大な敵が迫りくる様を描いた悪名高い、ロバート・ウィリアムズによる同名イラストを用いたものだ。「私の家にほかのイラストを見に来てジャケット用に選び直すようバンドのメンバーに言ったんです。厄介なことになるのはわかっていたので」と、ウィリアムズはリヴォルヴァー誌に語った。悽絶なイラストのため、このアルバムの取り扱いを拒否する小売店が多かった。オリジナルのアートワークはアルバムのパッケージの内側に移され、ジャケットは、今やシンボルマークとなったビリー・ホワイト・ジュニアによる十字架と骸骨のデザインに差し替えられた。


1987年9月:イジーとダフ、ファスター・プッシーキャットのドラマーをテープで縛り上げる
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Photo by Tony Mottram/Getty Images

87年秋、ガンズ・アンド・ローゼズは、同じサンセット・ストリップの住人ファスター・プッシーキャットと共にヨーロッパとイギリスで8日間ライヴを行った。スラッシュは後年、ふたつのバンドの関係について、「お互いに一線を引いてたよ。友達って感じじゃなかった」と述懐している。しかし、ある晩、プッシーキャットのドラム、マーク・マイケルズがハンブルグのレーパーバーンへガナーに遊びに連れて行ってもらいたいとしつこく迫ってきた。それがダフとイジーの怒りを買い、マークは口と手足の自由をダクトテープで奪われ、そのままホテルのエレベーターに放り込まれホテルのロビーへ送られた。スラッシュは、「ホテルの従業員がマークを救い出した」と回想している。


1987年11月20日:アクセル・ローズ、警備員を殴る
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Photo by Larry Marano/Getty Images

アクセルにとってステージの上より楽しいことがあるとすれば、それはステージから飛び降りることだ。アトランタのオムニでのライヴ中、友人が警備員ともめているところを目撃したらしいアクセルは観客の中に飛び込み、警備員につかみかかると顔面に一発見舞った。彼はライヴを続行しようとしたが、「ミスター・ブラウンストーン」の演奏中に警察官に連行された。アクセルが楽屋で拘留されている間、バンドはローディーのビッグ・ロンに名曲ロックのカヴァー(「コミュニケーション・ブレイクダウン」と「ホンキー・トンク・ウィメン」)を歌わせて窮地をしのいだ。長いドラムとギターソロもあった。アクセルは暴行容疑を認め、罰金を払って裁判を逃れた。2006年になるまで、ガンズ・アンド・ローゼズが再びアトランタを訪れることはなかった。

Translation by Naoko Nozawa

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