アデル ロングインタヴュー番外編 17つのこぼれ話


アデルは、ファンであるU2のボノと興味深い会話を交わした。

「彼は純粋に私に関心があるみたいだった」と彼女は語る。「いつも私のメソッドについて聞いてきて、私は"まだ確立したものは持っていない"って答えていたわ。"私はまだアルバム2枚しか出していないのよ!"って。でも、彼はとても面白いことを言ったのよね。私が"ひとりについて、どうしてそんなにたくさんの素晴らしい曲が書けるの?"と尋ねたの。つまり彼の奥さんについて、ってことよ。そうしたら彼は、すべて神についての曲だと答えたわ。それを聞いて私は本当にすごいと思った。「With or Without You」が神について書かれた曲なんて、今まで考えても見なかった。私は信心深い人間ではないけれど、信仰は心から敬っているわ。私の祖父が亡くなった時、祖母は信仰なしに立ち直ることはできなかったと思うから。信仰が人々に与える安らぎを、私はいつも望んでいるの」

子供を持つことで、恨みを抱えることはほぼ不可能になった。

「今は悩み事を処理する容量というものが、限られているの」とアデルは語る。「だから、どれを悩むことにするか選ばなくちゃ。だって、すべてを抱え込む強靭さなんてないんだから。つまり、たくさんのことを手放す必要があったんだけれど、私は何でも手放すのがイヤなのよ! 私は恨みを抱えているのが好きなの! 『25』というアルバムは、私がどんな形であれ今まで愛してきたすべての人たちに歩み寄り、自分が間違っていたこともあったと認めているのよ」

『25』は「Hello」ではなく、「Send My Love (To Your New Lover)」が1曲目にくるはずだった。

「2曲の間で迷っていたの」とアデルは語る。「でも“Hello"の方がほんの少し、このアルバムを象徴しているように思う。それに、カムバックに最適な曲なのよ。とても会話的で、私はそれが大切だと思うの」

彼女は家の中で歌うことは、"ほとんど"ない。

「変なものよ」とアデルは語る。「だって、私が『アナと雪の女王』の“Let It Go”を歌うのよ」

アデルは自分のことを、ポップスターだとは思っていない。

「いわゆるポップ・ミュージックには心を動かされないの」と彼女は語る。「でも好きよ。生活のなかでサウンドトラックとして聞くぶんには。日常生活で聞いているとワクワクするし、私の人生にとって大きな部分を占めているわ。でも、私は自分が一流のポップスターになれるとは思えない。そうなりたいともまったく思わない。それに、マドンナみたいに常に自分を改革しようと意識しない限り(テイラー・スウィフトはすごく上手にそれを実行していると思う)またはその能力がない限り、足を踏み入れるのは危険な世界だと思うわ。なぜなら、とても旬が短い世界だし、私はジャンルやスタイルやトレンドをコロコロ変えて、自分を変革しようという気はないの。私にはその能力がないのよ」

彼女は楽曲製作をリタイアする気はない。

「死ぬまでアルバムを作り続けると思うわ」とアデルは語る。

Translation by Sayaka Honma

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