ローリングストーン誌が選ぶ「2015年のベスト・ミュージック・ビデオ」トップ10

8位 チャーチズ『Empty Threat』

監督:オースティン・ピーターズ
葛藤しないティーンエイジャーを見るのは、なんと奇妙で新鮮なことか。チャーチズのビデオは、ゴス系の若者グループが南フロリダのウォーターパークへと出かけるのだが、監督のオースティン・ピーターズは、敵対関係に焦点を当てていない(もし対立が起こったとしても、それは画面の隅から少し分かる程度だ)。代わりに、ピーターズは決して廃れることのない人間的なアプローチで、仲間意識というものにフォーカスした。登場人物は、16歳の高校生で写真家のライリー・バタリー(撮影中は一時的に自宅謹慎を解かれていた)と、地元の人たち数人だ。『Empty Threat』は周囲から浮いていることではなく、自分がいるべき場所を探すことを描いている。


7位 ジャスティン・ビーバー『Sorry』

監督:パリス・ゲーベル
リリック版のビデオは無視していい。シングル『Sorry』発売後、レーベルはスカスカの中身を埋めるべく、すぐさま応急処置に出た。つまるところ、『Sorry』はオフィシャル“ダンス”ビデオが必要だったのであり、それは数が証明している。これを書いている時点で、ビーバーのYouTubeチャンネルにある『Sorry』ダンス版は、リリック版よりも2億6900万回以上多く視聴されているのだ。真っ白な空間で撮影されたダンス版は、ニュージーランドの振付師パリス・ゲーベルと彼女の女性ダンスチーム“ReQuest Dance Crew”が、ジャスティン・ビーバーのヒットソングに、せわしないカリビアン・スタイルの動きを取り入れている。ミラーサングラスに90年代風ファッションの“ReQuest Dance Crew”は、ひどく陽気で官能的。この曲には完璧な組み合わせであり、(歌詞を)読むより踊らせようとしているのは明白なのである。

Translation by Sayaka Honma

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