パール・ジャムのB面曲ベスト10

Photo:Alison Braun/Michael Ochs Archives/Getty

『プレゼント・テンス』、『フットステップス』、『インディファレンス』を抑えて1位になったのは
パール・ジャムのコアなファンはB面曲をこよなく愛している。彼らはコンサートで『イーブン・フロー』や『ジェレミー』には生ぬるい拍手を送るかもしれないが、バンドが『スウィート・ロー』や『オブ・ザ・ガール」などを披露すれば完全に正気を失うだろう。

パール・ジャムはこの事実を把握しているので、B面曲やカヴァー曲、時にはテンプル・オブ・ザ・ドッグやマザー・ラヴ・ボーンのカヴァーといったレアな曲をライヴに散りばめる。2015年夏、バンドが南米ツアーとグローバル・シチズン・フェスティバルでの1回限りのアメリカ公演に向けて準備を始めた際に、私たちはパール・ジャムのB面曲について読者人気投票を実施した。投票数を集計するにはいくつか判断が必要になる場面があった。例えば、『ブラック』は正式にシングルカットされたことはないが、単純に有名すぎるため投票数にはカウントしなかった。歌詞がほとんど聞き取れない
『ジェレミー』のとあるB面曲については日和見的な態度を取り、最終的にはカウントに入れた。投票結果は以下のとおりだ。


第10位 「ザ・ロング・ロード」


パール・ジャムは20年前、ニール・ヤングのニューアルバム『ミラー・ボール』でバッグバンドを務めるという素晴らしい機会に恵まれ、ほんの数週間でそのレコーディングを済ませた。エディ・ヴェダーは深刻なストーカー問題に対処していたため、本作への彼の関与はかなり限られたものだった。そもそもヤングがリード・ヴォーカルと作詞作曲のすべてを担当していたので、彼の役目があまりなかったというのもあるが。『ミラー・ボール』が発売されてから数ヶ月後、パール・ジャムはヴェダーの歌を入れた2曲編成のEP『マーキン・ボール』をリリースした。オルガンにヤングをフィーチャーした心に残る曲「ロング・ロード」は、パール・ジャムのフロントマンがここ最近のイベントで悲しみを発散させるきっかけとなった。2001年9月21日に実施された9・11テロを追悼する長時間チャリティ番組『アメリカ:トリビュート・トゥ・ヒーローズ』でのライヴ・バージョンは、曲がまったく新しい意味を帯び、最も記憶に残るバージョンである。


第9位 「アイ・ガット・イド」


『マーキン・ボール』のもう一方の収録曲『アイ・ガット・イド』は、パール・ジャムにクレジットがあるものの、実際はヴェダーとドラマーのジャック・アイアンズが参加しただけで、リード・ギターはヤング、ベースはブレンダン・オブライエンが担当した。元のタイトルは『アイ・ガット・シット』だったが、エピック・レコードがタイトルに下品な言葉を含むシングルのリリースをためらったため、『アイ・ガット・イド』に変更された。パール・ジャムがまだ世界で偉大なバンドのひとつだった時にリリースされ、ビルボードのHot 100チャートで最高7位を記録した。マイナー曲というにはふさわしくないかもしれないが、近年この曲はめったに聴かれなくなったため、私たちは投票結果に入れることにした。 

Translation by Deluca Shizuka

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