2010年代ベスト洋画ランキング トップ20

3位『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)
マイケル・キートンは20年前に、映画『バットマン』シリーズ第3作への主演を辞退した。運命を分ける決断の末、彼のキャリアは真っ逆さまに急降下。しかし、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は長回しのワンカットで撮影したように見えるこの超現実的な映画の主役に、彼を起用しようと思い立った。キートンは、バードマンというスーパーヒーロー役で有名になったものの、シリーズ第4作を蹴ったことから人気が転落した俳優を演じている。キートンの人生との類似を無視するのは不可能で、この作品により彼は華々しく復活を遂げた。
全世界興行収入:9956万3958ドル
ロッテン・トマト満足度:93%
アカデミー賞受賞数:4/作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞

2位『インセプション』(2010)
巨額を稼ぐ大ヒット映画を作ることに長けた監督もいれば、評論家やコアな映画ファンに愛される作品を作る才能に恵まれた監督もいる。両方のスキルをもつ監督はごくわずかだが、クリストファー・ノーランは間違いなくその中のひとりだ。彼の2010年の映画『インセプション』は、レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エレン・ペイジが出演。他人の夢の中に侵入して彼らの秘密を盗む、スペシャリスト集団を描いた。プロットがあまりにも複雑で分かりづらいが、すべてを理解しようとする楽しみは尽きない。
全世界興行収入:8億2553万2764ドル
ロッテン・トマト満足度:86%
アカデミー賞受賞数:4/撮影賞、音響編集賞、録音賞、視覚効果賞


1位『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)
ウィル・スミスは人生でいくつか間違った選択をしてきたはずだが、中でも『ジャンゴ 繋がれざる者』の主役を断ったことは最大のミスのひとつに違いない。『アフター・アース』の代わりに、この映画に出ていたらどうなっていただろう? 彼はこの主役に、引き受けるに足る魅力を感じなかった。なぜなら映画の中心人物は、クリストフ・ヴァルツ演じるドクター・キング・シュルツだったからだ。シュルツは19世紀の賞金稼ぎで、(ジェイミー・フォックス演じる)元奴隷と手を組み、農園に捕われた元奴隷の妻を助け出そうと試みる。タランティーノが脚本・監督を手がけたこの映画は、『イングロリアス・バスターズ』がホロコーストを題材にしたように、奴隷制度を描いた。
全世界興行収入:4億2536万8238ドル
ロッテン・トマト満足度:88%
アカデミー賞受賞数:2/助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)、脚本賞

Translation by Sayaka Honma

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