ジェイムス・テイラー、人生を振り返る15曲

By ANDY GREENE
Photo by Michael Putland/Getty
ジェームス・テイラーが、薬物中毒、父親の不在、壮絶なサバイバル・・・フォークロックの名作に隠された驚くべきダーク・ストーリーを振り返る。

2016年6月に発売されたジェイムス・テイラーのニューアルバム『ビフォア・ディス・ワールド』(自身初のビルボード200で全米アルバムチャートNo.1を獲得)は、オリジナル盤としては実に13年ぶりの新譜となった。とはいえこの間、彼はなにもノンビリしていたわけではない。ツアーは定期的に行っていたし、ライヴアルバムやカヴァーアルバムもリリースし、双子の男の子を育てた。もう14歳だ。しかし数年前、テイラーは、新曲を収録したアルバムを出すなら、ソングライティングを人生の最優先事項にしなければならないと悟り、友達のアパートを借りて、そこに泊まり込みで作曲に打ち込んだ。そこから生み出された『ビフォア・ディス・ワールド』は、優しくて内省的で、彼の70年代の名作の記憶を呼び起こすような作品になっている。「私は、何度も自分をリニューアルできるタイプのミュージシャンではない」と彼は語っている。「私はレコーディングやライティングのスタイルをゆっくりと進化させている。ある部分では、これまでよりもうまくできるようになったと思っているよ」

67歳のテイラーは、人生とキャリアを正直に振り返ることができるようになった。暗い時代もあった。ヘロインに溺れた日々、そして親としての苦闘の日々(彼は前妻のカーリー・サイモンとの間に、サリー(41歳)、シンガー・ソングライターのベン(38歳)の2人の子供をもうけている)。「サリーとベンは立派になった」と彼は語っている。「僕のおかげではないけれどね。僕は父親としては失格だ。薬物中毒のおかげで、人としての成長が遅れてしまった。大人になるのが本当に遅かったと思う」

大好きなボストン・レッドソックスがニューヨーク・ヤンキーズと対戦しているフェンウェイ・パークの貴賓室で、テイラーは自身の50年間のソングライティングの歴史を、1968年にビートルズに発掘されてアップル・レコードと契約した頃にまで遡って案内してくれた。
Translation by Kuniaki Takahashi

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