エルトン・ジョンの隠れた名曲ベスト10

Photo: (Michael Ochs Archives/Getty)

『マッド・マン』、『ティッキング(母さんの言葉)』、『ハーモニー』を抜いてトップを飾った名曲とは?

エルトン・ジョンには数え切れないほどのヒット曲がある。世界中の大勢の熱狂的ファンの前でヒット曲を繰り返し演奏し、巨万の富を築いてきた。エルトン信者は、『クロコダイル・ロック』や『ベニーとジェッツ(やつらの演奏は最高)』などのヒット曲は十分聴いてきたが、そのような曲の陰にコンサートではあまり演奏されない素晴らしい名曲がある。アルバム『エルトン・ジョン3』、『キャプテン・ファンタスティック』、『ソングス・フロム・ザ・ウエストコースト』からヒット曲はほとんど出ていないが、収録されているのは名曲ばかりだ。ローリングストーン誌読者投票ではエルトン・ジョンの隠れた名曲を募った。
結果は以下の通りだ。


第10位 『パイロットにつれていって』


バーニー・トーピン(※エルトン・ジョンの曲の多くを手がけている作詞家)は、自作したものについては背景を覚えているが、『パイロットにつれていって』については謎だと言う。1997年にトーピンはこう語っている。「詞に現実感が全くない。詞の中の「パイロット」は、飛行機の操縦士のパイロットからピラト(ポンティウス・ピーラートゥス)まで何にでもなり得る。聴き手は好きなようにいくらでも深い意味を持たせられるが、僕としては特に意味のない、頭にパッと浮かんだだけの詞だ」この曲は、1970年に『僕の歌は君の歌』のB面としてリリースされ、ポール・バックマスターの卓越した弦楽アレンジが効いている。ライブでも長い間人気だったが、2013年夏以降は演奏されていない。


第9位 『さすらいの弾丸(ロバート・フォードの拳銃)』


バーニー・トーピンはガールフレンドのマキシン・ファイベルマンに夢中になり、1971年に彼女への愛を込めて『可愛いダンサー(マキシンに捧ぐ)』を書いた。しかし、1976年までに2人の結婚生活は破綻し、マキシンは『さすらいの弾丸(ロバート・フォードの拳銃)』のインスピレーションとなった。バーニーは、無法者のジェシー・ジェイムズの後頭部に打ち込まれ、命を奪った弾丸に自分自身を重ね合わせ、悪びれることなくこんな歌詞を書いている。「俺は賞金稼ぎの殺し屋みたいに下劣さ/俺は金のために剣を抜くような冷たい男/ひどく恥じている/修復は無理かい?」

『さすらいの弾丸(ロバート・フォードの拳銃)』はシングルとしてリリースされ、ビルボードホット100では最高14位を記録していることから、隠れた名曲に認定することを不満に思う人もいるかもしれない。しかし、この曲はラジオでかからなくなって久しく、コンサートでは1979年以降一度も演奏されていない。ヒット曲だが、隠れた名曲に選ばれるにふさわしい一曲だ。

Translation by Satoko Cho

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