夏木マリが語る、時代に媚びない哲学:「やりたいと思ったことは絶対やりたい」

By Joe Yokomizo 2015/06月号 P36〜39 |
Photographs by Maciej Kucia (AVGVST)
ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー
2015年6月号 特集  煙たい表現者たち
夏木マリ「意地を通そうっていう気持ちが、どこかにあった」

「媚びない女」といえば真っ先に思いつくのが夏木マリだ。いつ見ても存在感がヴィヴィッドな理由は、安定した場所に落ち着くより、反対されてもフレッシュな挑戦のほうを選ぶから。お気に入りは、「お行儀のいい女は歴史を作らない」というマリリン・モンローの言葉だ。2015年の現在は、全18本に及ぶ初の全国ライヴハウス・ツアーの真っ最中。自由にしなやかに、ありのままに潔く─本特集の紅一点、その生き様はやはりカッコいいのだ。

※インタヴュー、掲載共に2015年。

─ちょうど昨日、ライヴハウス・ツアーの初日を終えられたところですが、いかがでしたか?

私は今回、本気で楽しもう、本気で唄いたい歌を唄うライヴにしようと思っているんですけど、やっぱりどのライヴでもオーディエンスから教えられることっていっぱいあるでしょ。それが、昨日もありました。そういう意味では、今回18本やっていくうちにライヴ自体がどう成熟していくか、楽しみですね。

─私も拝見しましたが、いろいろな意味で距離が近いライヴだったのに驚きました。ライヴハウスという場所もそうですし、オーディエンスと直接対話するコーナーがあったり、終演後は自ら物販にも立たれていて。

私は、講演会では必ず物販に立つんです。その時はステージから直接降りて行くんですね、客席を通って。フツウなら一度楽屋に戻って化粧直しをしたりするけど、私はそういうのはどうでもいいので(笑)、空気感をステージからそのまま持って行きたくて。気がついたら、「それをライヴできるな」って。私はどのプロジェクトも毎回新人のつもりでやらせてもらっていますけど、今回はライヴハウスという空間を選んだので、特に新人ですから、物販もマストだろうと思いました。

─そうして距離を近づけるということは、ある意味生身をさらけ出す、隠せないということでもありますよね。そこに怖さはありませんか?

あのね、気持ちいいです。例えば俳優の仕事の時は、創り込んだものの中に入っていきますよね。だけどライヴっていうのは、その人の生き様が出ちゃうものなので。それなら、中途半端は嫌ですよね。すべてがライヴですから。

─なるほど。

もしお客様が楽しくないっていうなら、それは私がプレイヤーとして生き様がなっていないということであって。ライヴハウスに出るっていうのは、そういうことなんですよね。だから、思い切ってやったほうがいいんじゃないかなと思って。いつも崖から飛び降りる心境なわけですよ、アハハ(笑)。今回もそんな感じでやってます。
Text by Yuko Ueda

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