島田雅彦インタヴュー:「文学は自然界と同様に多様性が命だ」

By Joe Yokomizo P50〜52 |
Photographs by Maciej Kucia (AVGVST)
ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー
2015年6月号 特集  煙たい表現者たち
島田雅彦「変なものもどんどん世に送り出すのが良いのだと昔から言っています」

甘いマスクに似合わず歯に衣着せぬ物言いでチクリと差す。小説家、島田雅彦の行く先に敵無しと思いきや、実は6回ノミネートされた芥川賞ですべて落選するという不遇な目にあっている。その経験を経て、選考委員を務める今は、偏狭になりがちな文学界に警鐘を鳴らす使命を自らに課しているそうだ。子供の頃に憧れた作家像や、芥川賞最多落選の裏話、そしてエロスと日本文学の変遷などのエピソードと解釈に、スマートな反骨精神を垣間見る。

─毎日書いているんですか。

もちろん書けない日もあります。

─気持ちとしては毎日?

書いていないとなまるんで。アスリートと同じです。

─大学時代にデビューされたんですよね。小説を書こうという思いはいつから?

13歳ですね。

─早熟ですね。

一種の活字中毒で、書店や図書館の棚を全部読むみたいなことをしていましてね。出発点は、作家という職業に対する漠然とした憧れです。アウトロー的なイメージがありまして。覚せい剤を打ちながら書きまくって世相を斬ったり、酒を浴びるほど飲んで心中をするみたいなね。太宰治とか坂口安吾とか、戦後の焼け跡でハチャメチャな暮らしをしているような無頼派です。今でも少女漫画に出てくる小説家っていうのには、彼らの影響があるんじゃないですか。

─破天荒な人生を歩みたいという思いが最初にあったんですね。

それをやって先生とか呼ばれて尊敬される職業ってあんまりないですからね。基本的に虚言癖の固まりでしょ。それで尊敬されるんですから。作家じゃなかったら詐欺師ですよね。

─妄想の極地ですもんね。

しかも、それを事実だと信じ込ませるような手の込みようですからね。そういう技術を競っているんです。
Text by Mari Minakuchi (RSJ)

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