アルカが語る、ビョークとのコラボ、性の葛藤、衝撃的なニューアルバム

By ERIK MORSE
「アルバムを作る過程で、僕の中にあった脆さは勇気へと変身したんだ」ー アルカ (Photo: Xavi Torrent/WireImage)
時代を象徴するベネズエラ人プロデューサーが、アヴァンギャルド・ポップの傑作『ミュータント』について語る

過去数年間におけるアヴァンギャルド・ポップのムーヴメントを象徴する存在といえば、アルカだ。ベネズエラで生まれ、学生時代をニューヨークで過ごした現在26歳のアレハンドロ・ゲルシは、メインストリームの枠を押し広げ続ける、現在最も注目されているプロデューサーのひとりだ。カニエ・ウエストの傑作アルバム『イーザス』への参加と、イギリス人シンガーFKAツイッグスのデビューアルバムを共同プロデュースしたことでその名を知らしめた。そして、この度ビョークの最新作『ヴァルニキュラ』でコラボレーションを果たしている。

各方面から絶賛されたデビューアルバム『Xen(ゼン』のリリースからわずか1年、アルカは2015 年11月20日にセカンドアルバム『Mutant(ミュータント)』をミュート・レコーズよりリリースする。本作はインダストリアル・ノイズ、ダブ、グリッチ・ポップ、IDM、アンビエント、スペース・エイジ・ポップなどが溶け合った、混沌とした現在のシーンを体現するような内容となっている。『ミュータント』には、『ゼン』の制作時から現在に至るまでの、自身の進化が反映されているという。「自分だけのシグネチャーサウンドを確立したと思う」彼はそう話す。「ただメロディックやリズミカルな曲を書くのではく、そのふたつが同時に成立する音楽を作ることができるようになった。自分自身の中にあった様々な壁を取り払うことができた、そんなふうに感じているんだ」

ローリングストーン誌のインタビューに応じたアルカことゲルシは、新作のインスピレーションやヒップホップ・カルチャーに対する見解、そしてビョークとカニエとのコラボレーションなどについて語ってくれた。

『ミュータント』と『ゼン』の違いを表現するとすれば、どういうものでしょうか?

『ゼン』は本当の自分を知るための、内なる冒険のような作品だった。『ミュータント』にはその反動のような面があって、外界との繋がりを強く意識しているんだ。『ゼン』が好きじゃなかった人でも、『ミュータント』は気に入ってくれるんじゃないかな。その逆のケースもあるかもしれないけどね。でも僕の内なる混沌を表現するという点では、どちらの作品も等しく重要なんだ。僕は紆余曲折を経て、自分が成長するための最良の方法は、リスクや周囲の反応を恐れたりせずに、もう一人の自分と正面から向き合うことだと気づいたんだ。抽象的に聞こえるかもしれないけど、真実にはそう簡単にたどり着くことはできないし、僕にはそれが正しいことだと思えた。『ゼン』が僕の陰極を象徴しているとしたら、『ミュータント』は僕の陽極を表現した作品なんだよ。
Translation by Masaaki Yoshida

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