ボウイ・トリビュート舞台裏:ナイル・ロジャースが語る「全てはアート」の誕生秘話

ー『レッツ・ダンス』に入った瞬間、この曲を再びプレイするのはどんな感じでしたか? パフォーマンス中、どういったことが頭によぎりましたか?

僕にとって、本当にかなりエモーショナルな瞬間だったよ。デヴィッドのことを愛してるし、あの曲は僕の人生に意味を持つけれど、あの瞬間に関しては、僕はガガのためにあの場にいたんだ。彼女にとって重要であったことを分かっていたから、自分の感情から離れる必要があったんだ。それに、最後には僕たちみんな泣いていたよ。すごく難しい状況だった。だって、生きている人への祝い事じゃなかったから。ほらライオネル・リッチーのトリビュートの時は、みんな本当にハッピーだったし、本人も観客席にいて、途中で参加したでしょ。最高だったと思うよ。デヴィッドが生きていて、あのパフォーマンスをして、最後に彼と一緒に『レッツ・ダンス』ができてたらと思ったね。かれこれ10年ぐらい僕は彼とそれを実現させようとしてたんだけどね(笑)。ニューヨークに行くたびに、彼の事務所で「ライヴがあるから、デヴィッドに一緒に『レッツ・ダンス』をしないかって伝えといてくれるかな」って電話してたんだ。

ー毎回そっけなく断られたんですか?せめてライブに来てくれたことは?


デヴィッドは、そっけなく断ることはなかった。いつも丁寧に断るんだ。数時間とかじゃなくて後で何日も考えることもあったから、そういう時は「まじかよ。今年は実現するかも!」て思ってたんだ。

ー答えは分からない質問ですが、トリビュート・パフォーマンスについて、ボウイはどう思ったでしょう?

僕の心の中では、彼がすごく喜んでくれたと思ってる。デヴィッドはすごいアーティストで、キャラクターになりきっていたた。音楽の世界から出て演技の世界に飛び込んで、『エレファント・マン』を化粧なしで、体をよじってそのキャラクターになりきらなきゃいけなかった。ガガが今回のトリビュートでやったのは、まさにそれだよ。彼は俳優としてキャラクターになりきっていたけど、ガガもカウントダウンの直前まで、あの声と才能に妥協することなくボウイになりきろうとしていたんだ。

Translation by Miori Aien

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