清春が語る「ソロ」で挑み続けるためのブレない哲学

By Joe Yokomizo 2016/04月号 P118〜121 |
Photographs by Yoshika Horita
連載 煙たい男たち|Case26 清春

撮影中、最近始めたという電子煙草の煙を吐く度にオーラを放つ。ヘビースモーカーでライヴでも必ずステージ上で煙草を吸うという。本人曰く「ライヴ中、2曲に1本くらい吸いますね」。もちろん、取材中もずっと煙草を吸っていた。男の名前は清春。90年代に爆発的なヒットを飛ばし、今も若い世代に多大な影響を与え続けているバンド・黒夢のフロントマン。その清春が3月31日にリリースするソロ・ニューアルバムのタイトルはズバリ『SOLOIST』。意訳すれば「一人で張って生きている表現者」「群れずに生きている表現者」といったところだ。

もちろん、清春自身のことでもある。常人にはないそのオーラは、自らがSOLOISTであることの現れだ。見た目からは想像出来ないほど丁寧で物腰柔らかな口調だが、主張は一貫してブレない。「売れるにはメンバーの人数が多い方がいいんですよ。例えばメンバーが5人いてそれぞれキャラが立っていれば5人のうち誰かを好きになってくれる可能性がある。俺みたいにバンド出身でソロやっている人間は自分のことだけを好きになってくれるかどうかなんで。好きになってくれたら濃いんだけど、バンドの方が売れる確立は普通に高いですよね」。清春はソロになって12年目、今作で9枚目のアルバムとなる。その『SOLOIST』は単にヒットを狙うのではなく、曲や表現のクオリティを追求し、"自分はSOLOISTである"ことを提示する内容になっている。

そもそも音楽活動において、ずっと群れることを拒んできた。岐阜出身の清春は91年に黒夢を結成し、名古屋を中心に活動をしていた。もはや伝説になっているライヴ中に首を吊るという過激なパフォーマンス(他にもコンドームを投げたり、マネキンを引きずって歌ったり)と独特なヴォーカルスタイルに象徴されるサウンドのオリジナリティが評価され、黒夢は圧倒的な人気の中、CDデビューをすることになる。その時、有名レーベルほか幾つもの事務所から誘いがあったというが、清春は大手の事務所に属することをしなかった。「色んなところから声がかかったけど、自分でやりたかったんですよ。名古屋で活動していたせいもあって、東京とか大阪の縦社会のことはよくわからなかったし。当時はインディーズっていう言葉にこだわってた。それはインディーズ・レーベルで活動するっていうことじゃなくて、要は自主制作であり、自主で活動するっていうこと。自分達でやらないと本当の意味でインディーズじゃないと思ってて」。そんな想いから大手事務所との契約はせず独立独歩の道を選ぶ。「自分達で決めて自分達で作って、自分達で演じる。街の個人商店と同じですよ」。そこに関してブレない理由を清春はこう語ってくれた。

「ダメになった時、人のせいにしたくなくて。大きな事務所に入って、「あの人が言った通りにやってダメになった」とか、後悔したくないっていうね。自分で決めてダメならしょうがない」。

若いから怖くなかったんでしょうね、とも振り返るが、周囲のバンドが事務所と契約して行く中で焦りもあったはず。だが、清春は言い切る。

「事務所に入った時点でサラリーマンなんですよ。雇われミュージシャンだし、雇われバンド。それでも社長と話して方針決めてるっていう人もいるんだろうけど、話し合う時点でロックではないって思っちゃうんで」。

TOPICS

RECOMMENDED