ロックの殿堂入りを果たすN.W.A.、ホスト役にケンドリック・ラマーが決定



ドクター・ドレーのお気に入りであり、同じくコンプトン出身のケンドリック・ラマーは、N.W.Aから受けた多大な影響について度々口にしている。「俺にとってのN.W.A.はミュージシャンというよりも、コンプトンにおけるライフスタイルそのものを体現する存在だった」ラマーはN.W.A.のドキュメンタリー映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』のプロモーションムービーでそう語っている。「この街で生まれ育った俺たちにも成功するチャンスがあるということを、彼らは証明してみせたんだ」

昨年10月、ラマーは元N.W.A.の故イージー・Eを偲んで以下のように語っている。「人々が自分たちを取り巻く悲惨な環境について語ることを許されなかった当時、イージーとN.W.A.のメンバーたちは恐れることなく口を開いてみせた。彼らの存在なくして、今の俺たちは決してない」メッセージはこう続いている。「彼はギャングスタ・ラップを生み出しただけでなく、他人の目を恐れることなく、自分が信じるアートを自分自身の言葉で語ることの意義を証明してみせた」

N.W.Aが2016年にロックの殿堂入りすることが決定した昨年12月、アイス・キューブはローリングストーン誌にこう語っている。「これは歴史的な出来事だ。N.W.A.が現在のシーンや音楽業界のありかたに大きな影響を及ぼしたということが、史実として認識されるようになったんだ。うまく言葉にできないけど、快挙であることは確かさ」彼はそう話している。「俺たちがのし上がり始めた頃、N.W.A.を忌み嫌った奴らは腐るほどいた。俺たちは社会における危険因子だったんだ。しかし誰がなんと言おうと、N.W.A.が音楽史に大きな足跡を残したのは紛れもない事実だ。そのことがついに証明されたんだよ」



本年度のロックの殿堂授与式は、4月30日に米HBOで生放送される。


Translation by Masaaki Yoshida

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