有名バンドの知られざる「ひどい」オリジナルネームランキング 


3位 ザ・ポルカ・タルク・ブルース・バンド / The Polka Tulk Blues Band



Photo by Chris Walter/WireImage

最終的な名前:ブラック・サバス / Black Sabbath




世界初のヘビー・メタル・バンドにとって、ブラック・サバスはこれ以上ないほど相応しい名前だが、彼らがこの名前に行き着くまで多少時間がかかった。68年、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、そしてビル・ワードの4人は、ザ・ポルカ・タルク・ブルース・バンドを結成。当時はブルース・ロックを演奏していた。だが早い段階で、アイオミがこの名前について不満を訴える。彼はオズボーンにこう告げたという。「この名前を聞くたびに、お前がくるぶしまでのズボンをはいて、クソしているところが目に浮かぶんだよ。しょうもない名前だ」そこで彼の発案でアースという名前に変更するが、程なくして、同じ名前のバンドがイギリスに存在することに気づく。結局、ある日ボリス・カーロフ主演の映画『ブラック・サバス』に行列ができているのを見たバトラーの申し出により、バンドは窮地を救われるのである。





2位 ザ・ゴリウォッグス / The Golliwogs



Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images

最終的な名前:クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル / Creedence Clearwater Revival




クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのメンバーは、カリフォルニア出身の白人少年でありながら、ブラック・ミュージックやアメリカ南部のカルチャーを採り入れたサウンドを持ち味としていた。その音楽性に影響を受け、ティナ・ターナーは彼らの曲をカヴァーし、ブルース・スプリングスティーンは彼らのロックの殿堂入りに貢献した。彼らが、ザ・ゴリウォッグスとして人種差別的な路線を歩み続けていたら、ヴァニラ・ファッジの時代のヴァニラ・アイスとして人々の記憶に残っていただろう。ゴリウォッグスは、その名前(Golliwog:子供向けの本に登場する黒人キャラクター)を風刺したような、白いアフロヘアのかつらに、顔を黒く塗った姿でバンド活動を行っていたのだ。もともとはザ・ヴィジョンという名前だったこのグループは、ファンタジー・レコードと契約すると、創設者のマックス・ウェイスの意向で改名し、64年にデビュー・アルバム『ドント・テル・ミー・ノー・ライズ』を発表する。「少なくともマックスにとっては、ゴリウォッグスはイギリスっぽい響きに聞こえたんじゃないかな」リズム・ギタリストのトム・フォガティは当時を振り返った。「俺たちはずっとその名前が嫌いだった。今もそうだよ。だけどマックスはレーベルのオーナーだったし、俺たちはとにかくアルバムを作りたかったから、彼の方針に従ったんだ」しかしファンタジー・レコードは企業介入より窮地に陥り、67年にソウル・ゼインツが会社を買収。それを機に、彼らはクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルと名前を改めた。





1位 ネイキッド・トドラー / Naked Toddler

Photo by Hulton Archive/Getty Images



最終的な名前:クリード / Creed




ファンの擁護の気持ちの表れだろうか、"ネイキッド・トドラー"という言葉は、クリードのウィキペディアのページのどこにも出てこない。しかし実際は、90年代中頃にグループを結成した当時、ギターのマーク・トレモンティは、誘拐された裸の幼児に関する新聞の切り抜きを財布から取り出し、これをバンド名にしようとメンバーを説得したという。「この名前はかなり不評だった」ヴォーカルのスコット・スタップは自伝で語っている。「女の子の受けが悪くてさ、この言葉が小児性愛を連想させると言うんだ」結局、彼らは名前を改め、ベースのブライアン・マーシャルが所属していたバンド、マトックス・クリードを縮めてクリードと名乗るようになった。とはいえ、彼らはこのナンブラ風の名前を完全に恥じているわけではないようだ。12年、彼らは"クリード・トリビア"と題し、以前のバンド名を知っているか、フェイスブックでファンに尋ねた。およそ600人のファンがこれに応じ、全員が自信を持って"ネイキッド・トドラー"と答えた。



Translation by Aki Urushihara

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