ジム・モリソン、1969年にEDMサウンドの到来を予言




そんなジムの洞察力が一際目立ったのは、インタヴューの中でEDMの到来を予測した時だった。「モーツァルトみたいな人の多くって、神童だったんだよな。かなり小さい時にすげぇ曲を作曲してさ」こう話すジムは、音楽の未来について思いを巡らせた。「そういうことがこれから起きるはず。すげぇガキが出てきて有名になるんだ。ソロアーティストが大量のテープと電子楽器・・・新型のモーグ・シンセサイザーを引っさげてさ。ほらオーケストラのサウンドの複雑さと豊かさを表現できるキーボードがあるじゃん?地下室で新しい音楽スタイルを生み出してるヤツが、世の中にはいるんだ」




Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images



当時まだ存在していなかった電子楽器1台による管弦楽曲、そしてその到来へ準備するソロで活動する神童たち。ジムはこうも続けている。「2~3年の間に耳にすることになるさ。それが誰であっても、俺はそいつにすげぇ有名になって、アルバムだけじゃなくてカーネギー・ホールとかででっかいライヴをしたり、ダンス・パーティなんかでもプレイしてもらいたいんだ・・・」





このインタヴューが行われたのは、シンセサイザーのみを使った初のダンス・ミュージックが、ディスコで流れるようになる10年ほども前のこと。また元祖EDM DJの ノーマン・クック(ファットボーイ・スリム)はその時6歳。さらに2012年にモリソンの声をサンプリングし、ドアーズの当時の生き残りメンバー3人と『ブレーキン・ア・スウェット』でコラボした現在のEDMシーンを牽引する スクリレックスが生まれたのは、それから19年後のことであった。


Translation by Miori Aien

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