2016年『ロックの殿堂』セレモニー総括:N.W.A.、チープ・トリック・ディープ・パープルが受賞




バンとの共演は6年ぶりということを物ともせず、昔のように『甘い罠』、『ドリーム・ポリス』、『サレンダー』のロックンロールなパフォーマンスを披露した。『サレンダー』では会場中が立ち上がり、一緒になって歌詞を叫んでいた。ロビン・サンダーの歌声はまったく衰えておらず、文字通り何千万回とパフォーマンスしてきた3曲からは、相変わらず圧倒的なエネルギーと魂を感じることができた。

パフォーマンスが終わりステージに残るバンドに、デイヴィッド・カヴァデール、グレン・ヒューズ、スティーヴ・ヴァン・ザント、シェリル・クロウ、ロブ・トーマス、スティーヴ・ミラー、そしてディープ・パープル、シカゴが加わり、チープ・トリックのファッツ・ドミノのカヴァー『エイント・ザット・ア・シェイム』が披露された。シンガーほぼ全員が順番に歌ったが、毎年のジャム・セッションと同じようにゴチャゴチャとした仕上がりで、ところどころに見られたサウンド・トラブルはステージを台無しにしていた。とはいっても、とても楽しませてくれる内容であった。あるグループの姿をそこに確認することはできなかったが・・・。

「(ステージで)N.W.A.と共演したかったから、少し怒ってる」チープ・トリックのギタリストのリック・ニールセンはこう話した。「彼らと一緒に一曲やりたかったんだ!俺たちエアロスミスとかRUN-D.M.C.みたいなグループになって、有名になれたはず!」これは実現しなかったが、ロックの殿堂入りの選考基準を90年代のアーティスト、そして2パックやザ・ノトーリアス・B.I.G.などのラッパーが満たし始めたことを考えると、ジーン・シモンズが賛成するかに関係なく、今後ヒップホップのアーティストがロックの殿堂入りセレモニーを独占する可能性が見えてきた。

Translation by Miori Aien

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