「ヒップホップ」の名付け親、アフリカ・バンバータが過去の性的虐待疑惑を完全否定

ある日サヴェージ氏は学校の授業を抜け出し、バンバータの自宅で午後を過ごしていた。バンバータによる性的虐待を初めて経験したのはその時だったという。また彼は、バンバータからズールー・ネイションの他のメンバーへのオーラル・セックスを強要されたこともあったと主張している。「私は自己嫌悪に陥った」サヴェージ氏はそう語っている。「どうして命令に従ったのか分からない。まるで魔法にかけられたかのように、私は彼のいいなりになってしまった」その後サヴェージ氏はズールー・ネイションを脱退している。

バンバータの弁護士ヴィヴィアン・キミ・トザキ氏は、デイリーニュース紙に寄せた声明文でサヴェージ氏の主張を完全否定している。「虚偽の疑惑をかけることにより、バンバータ氏の名声と人望を著しく貶めようとする卑劣な行為だ」声明文にはそう綴られている。「サヴェージ氏の主張は事実無根であり、バンバータ氏の知名度を利用して世間からの注目を集めようとするスタント行為にすぎない」

過去にズールー・ネイションに所属していたジャジー・ファイヴのチャック・フリーズは、デイリーニュース紙の取材に対し、サヴェージ氏が80年代中期に同団体のメンバーであったことを認めている。また同紙は、口止め料としてズールー・ネイションのメンバー2人が、サヴェージ氏に5万ドルをオファーする内容の会話が録音されたテープが存在すると報じている。トザキ氏はその会話の内容を認識していなかったことを認めた上で、その2人はどちらもバンバータ氏の正規代理人ではないとしている。

サヴェージ氏は、疑惑を公表したのは金を請求するためではなく、性的虐待に対する社会意識の向上と、より厳格な法律の制定を望むためだとしている。現在のニューヨーク州の法律は、23歳以上の成人が児童性的虐待容疑で加害者を訴えることを認めていない。

「あらゆるものを司るスプリーム・フォースの名の下に、私は自身の無実を主張する。他人を思いやる気持ちを持った世界中の人々が、他者を陥れようとするこのような卑劣な行為を否定し、真実に基づいた正義が果たされることを望んでいる」バンバータの声明文にはそう綴られている。「人々に神のご加護があらんことを。混沌としたこの世の中においては、人々が手と手を取り合い、互いに支え合うことが求められている。平和、愛、そして他者への思いやりに満ちた世界の実現を願って」


Translation by Masaaki Yoshida

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