ガンズ・アンド・ローゼズ、大成功のラスベガス公演2日目『ドント・クライ』を披露

スラッシュ脱退以降に唯一リリースされたGN’R作品の表題曲『チャイニーズ・デモクラシー』のオープニング・リフをスラッシュが弾く間、彼がひとりでスポットライトを浴びているのは明らかな皮肉だったが、このギタリストは強烈な威厳を放って空気を一蹴し、その瞬間を完全に支配した。ローズは身を乗り出し、今の彼と同じ状況では誰もできないような生き生きとした歌声で応戦した。








Courtesy of abdi.ohadi via Instagram





9日土曜の3時間にわたるセットリストは前日のものとほとんど変わらなかったが、いくつかサプライズがあった。ミスフィッツの『アティテュード』を歌う激しいセッションでは、アクセルが退場してダフがリード・ヴォーカルを担当し、スラッシュはギターで走り回りながら、パンクロック系のクランチを奏でた。8日金曜のアンコールは『ペイシェンス』から開始されたが、今回はふたりのギタリストが向き合いながら、メロディの演出と楽曲を変えてスタートした。ギターのネックで空に弧を描くスラッシュのジェスチャーにあわせ、力強いビートとローズのなめらかな歌声で『ドント・クライ』の演奏が始まった。





「座ったままでどうやって汗をかけばいいんだ?」と、それでも公演中に衣装替えを数回こなし、セクシーなナース服を着た女性に車椅子を押されてステージ間を行き来したローズが冗談を言った。今回のツアーが終わったら、フー・ファイターズの玉座は事故を起こしやすいロッカーたちにとって、ツアーの標準装備になるかもしれない。その後すぐに、『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』を熱唱し、皆さんよくご存知の「お前は死ぬ!」という脅迫的な言葉を叫んだ。「お前たちが叫ぶのを聞きたいんだ」!

アリス・イン・チェインズは、大ヒット曲と新曲で構成された陰気な正統派ロックの曲目でその夜をスタートさせた。拡大解釈すればジョイント・ライヴを呼べるほどのものだったが、アリスにもほぼ満員の会場で、ファンが熱狂して両手を振りながら『Rooster』を合唱するという、アリーナ公演を実施した経験がある。だが、ベガスで唯一強い印象を残したバンドはガンズ・アンド・ローゼズである。





後期のGN’Rが名曲のリストを再現することにこだわりすぎていたとすれば、今回、スラッシュとマッケイガンは、気楽に思い切り演奏でき、くつろいでいた。元スキッド・ロウのシンガー、セバスチャン・バックが登場し、ローズと『マイ・ミシェル』のデュエットを披露した時、GN’Rのシンガーが彼の力強さに圧倒されたことを除けば、よりリラックスした雰囲気に変わった。ステージを後にしたバックは、こう力説した。「ラスベガスにいた観客の気持ちを代弁して、俺たちをこんなにも幸せにしてくれたガンズ・アンド・ローゼズに感謝したいと思う。完全に復活したんだな」!





ガンズ・アンド・ローゼズのセットリスト
 「Not in This Lifetime」ラスベガス公演2日目



1. 『イッツ・ソー・イージー』


2. 『ミスター・ブラウンストーン』


3. 『チャイニーズ・デモクラシー』


4. 『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』


5. 『ダブル・トーキン・ジャイヴ』


6. 『イストレインジド』


7. 『リヴ・アンド・レット・ダイ』(ポール・マッカートニー&ウイングスのカヴァー)


8. 『ロケット・クイーン』


9. 『ユー・クッド・ビー・マイン』


10. 『アティテュード』(ミスフィッツのカヴァー)


11. 『ディス・アイ・ラヴ』


12. 『コーマ』


13. 『ゴッドファーザーのテーマ曲』


14. 『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』


15. 『ベター』


16. 『シヴィル・ウォー』


17. 『マイ・ミシェル』(with セバスチャン・バック)


18."『あなたがここにいてほしい』(ピンク・フロイドのカヴァー)


19. 『いとしのレイラ』(デレク・アンド・ドミノスのカヴァー)


20. 『ノーヴェンバー・レイン』


21. 『ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア』(ボブ・ディランのカヴァー)


22. 『ナイトレイン』

アンコール:


23. 『ドント・クライ』


24. 『シーカー』(ザ・フーのカヴァー)


25. 『パラダイス・シティ』





「ガンズ・アンド・ローゼズについてあなたが知らなかった5つのこと」は、こちらをご覧ください。

Translation by Shizuka De Luca

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