宮藤官九郎、作品作りの原動力:「わかってたまるか、わかられてたまるか という気持ちが強い」

By Mio Shinozaki 2016/06月号 P98〜101 |
Photographs by Maciej Kucia(AVGVST) Styling by Chiyo
連載 煙たい男たち|Case27 宮藤官九郎

「次回作は、何なのか」——世間で最も、動向を注目されている男なのかもしれない。どんな作品を生み出すのか、次はどんな一手を打つのか。

脚本家、映画監督、役者、ロックミュージシャン、作詞家、コラムニストと、表現に携わることなら何でもこなす。『池袋ウエストゲートパーク』で脚本家として脚光を浴び、『タイガー&ドラゴン』は若い人に落語ブームを巻き起こした。『あまちゃん』は普段朝ドラを見ない層まで引き込み、一大ムーブメントとなった。組んでいるバンド『グループ魂』では、紅白歌合戦に出場。王道を歩んでいるかのように見えて、脇道をひょいひょいと歩いている風にも見える。今や「先生」と呼ばれても違和感のない立場なのに、撮影ではスタッフを気遣い、撮られた写真を見ては「こんな写真、あまり撮られないからなぁ・・・」と照れる。宮藤官九郎は、人に色を塗られることを嫌う。だから、作品を作る。

「作品を作る原動力は、宮藤官九郎ってこうじゃん と思われたくない気持ちですね。こう思われたい じゃなくて、こういう人だと思われたくない という気持ちがすごく強いんだと思います。セックス・ピストルズの『No Feeling』じゃないけど、わかってたまるか、わかられてたまるか という気持ちが強い。『あまちゃん』を褒められると、早く『あまちゃん』じゃないものを作りたいと思うし。何故かというと、自分が自分のことをわかっていないからだと思うんですよね。人に決めつけられるとそんな気がしてくるから、それが嫌で新しい作品を作って、俺はこうじゃない と宣言したいんです。前作を否定して打ち消さないと気が済まない感じがありますね。だから、続編や再演があまり好きじゃなくて。一度終わったものをまた作るとなると、裏切るしかないじゃないですか。裏切ることが課題になると、それすら裏切らなくちゃいけない。そう思うと、やりたくなくなるというか。やっぱり0から作るほうが楽しいですよね。まぁ、頼まれたらやるんですけど(笑)。テレビと映画と舞台と音楽をやっているのも、1つの道を決めることで答えが出るのが嫌なんだと思います。だから、いろんな作品を作るのかなって」

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