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NYで活動する日本人コミックバンド「ピーランダーZ」のドキュメンタリー映画が全米公開

DAN EPSTEIN | 2016/05/12 20:00

| ピーランダーZのギタリスト兼リーダーのピーランダー・イエロー(ケンゴ・ヒオキ)Film Movement |

グワァーとパワー・レンジャーズを融合させたかのようなカルトバンド、ピーランダーZの波乱万丈な軌跡を描いたドキュメンタリー映画『マッド・タイガー』とは。

「練習はするけど、曲の出来はどうでもいんだよ」日本人コミックパンクバンド、ピーランダーZのリーダーであるピーランダー・イエロー(ケンゴ・ヒオキ)は、同バンドのドキュメンタリー映画『マッド・タイガー』の冒頭でそう語る。「音楽は1割で9割はパフォーマンス、それが俺たちなんだよ」

ピーランダーZは、1998年にニューヨークで結成されて以来、グワァーとパワー・レンジャーズが競演する低予算映画のようなライブでカルト的な人気を誇っている。プロレス、人間ボーリング、着ぐるみ、派手なステージ衣装、高々と歌い上げる故郷ピーランダー星への思い、そういったお約束のパフォーマンスでファンを魅了し続ける彼らは、プライベートや取材の場でも徹底してそのキャラクターを演じている。

しかし2012年、バンドのベーシストのピーランダー・レッド(コータロー・ツカダ)が、架空の忍者学校の講師になることを理由にバンドの脱退を表明する。その事実を知ったイ・ジョナサンとマイケル・ハートレインは、エキセントリックなパフォーマンスの裏に隠されたバンドの知られざるストーリーを描くことを決意する。

「私たちはピーランダーZの友人であり、昔からのファンでもある。彼らのミュージックビデオの多くは私が撮ったものなんだ」イはそう話す。「インタビューの場で、彼らは必ず『私は宇宙からやってきた』って主張するんだ。実際は日本人だってことは禁句なんだよ(笑)でも彼らの素性を知っている人は少ない。私がミュージックビデオを手がけるようになってからも、彼らの本名や出身地を知るまでに何年もかかったくらいだ。私とマイケルの目的は、そういう彼らの知られざる一面を描くことだった」

バンドのギタリスト兼リーダーであり、あらゆることを徹底的にコントロールするイエローに、映画の制作を了承させるのは簡単ではなかったという。逼迫した経済状況をはじめとした様々な苦境を晒すことは、バンドのイメージを壊してしまいかねないからだ。「彼は典型的なコントロールフリークなんだ」ハートレインはそう話す。「撮影を始めたばかりの頃、彼らは事前にミーティングを開いて、どう振る舞うかといったことを前もって決めていたんだ。そのことを知ってからは、私たちは予定よりも早く現場に到着することで、彼らに打ち合わせの時間を与えないようにした。彼らが心を開き、カメラの前で素顔を見せるようになるまでには何ヶ月もかかったよ」
Translation by Masaaki Yoshida

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