『イレプレイスブル』(Irreplaceable)
破局した相手を侮辱する歌としては、ビヨンセの甘く煽情的な『イレプレイスブル』ほど魅力的でキャッチーな曲は他にはないだろう。アコースティック・ギターの伴奏に合わせ、だらしのない浮気者のボーイフレンドに自分の荷物を全てまとめて出ていくようにと、彼女は念入りに指示をする。そして追い打ちをかけるように、新しいボーイフレンドがもうすぐやって来ることを伝え、代わりはすぐに見つけられると彼を切り捨てるのだ。
『イフ・アイ・ワー・ア・ボーイ』(If I Were a Boy)
ビヨンセの切ないバラード『イフ・アイ・ワー・ア・ボーイ』は、男女の性別による役割に着目し、簡単に信頼が崩れるような張りつめた関係から受ける心の痛みを描いた作品である。当時のシングルとしてはかなり弱い印象を受けるが、ビヨンセの感情豊かなヴォーカル・パフォーマンスで、より説得力のあるナンバーに仕上がっている。