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40年以上を経て再び世界が注目する、虫プロ製作のエロティック長編アニメとは

Jason Newman | 2016/05/19 21:00

| 1973年に公開した非常に奇妙で理解しがたい主人公、成人向けアニメーション映画『哀しみのベラドンナ』が、ついに米劇場で公開を迎えた。リストアの指揮を執ったシネリシャス・ピクスの副社長を務めるデニス・バルトークは「これは初めての、真のエロティック長編アニメーションだ」と語る。(photo by Cinelicious/Everett Collection/ (C)虫プロダクション) |


しかし、どれだけ水彩画の止め画や奇抜なイラストを融合した映像や、薬物による幻覚体験のようなビジュアルを用いて物語のきわどさを描写しようとしても、ベラドンナの姿やイメージ象に比べると色あせて見えてしまう(クリス・マルケルの短編集『ラ・ジュテ』に、ルネ・ラルー監督のアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』の要素を兼ね備えたような作品、もしくはジョージ・ダニングによるビートルズのアニメ映画『イエロー・サブマリン』を、ドラッグで幻覚状態に陥いりながら見ているところを想像してみてほしい)。一連のシーンでは、男性器が馬へと姿を変え、キリンが大きくなって別の男性器に変わり、ウサギが誰かの直腸から逃げ出し、2匹のカメが互いをシックスナインし、何匹かの魚が身をよじりながら女性の膣から這い出てくる。ピクサーではこうはならない。

4Kリストア版、英語予告編動画

(C)虫プロダクション

音楽家であり作曲家の佐藤允彦が手掛けた無調のアバンギャルドジャズ、なまめかしいバラード、サイケデリック・ロックと卑猥さ、電子音で人間の声の効果を生成したファンクミュージックなどの難解なスコアが、作品の異様さを一層大きなものにしている。「作品のイメージがとても抽象的だったので、抽象的に考える必要がありました」と佐藤は語る。「映画の音楽を作曲する方法を考えるときに、私は二つの手段を持っていました。キャラクターの心の葛藤の真相を表現する音を探すか、大衆向けの審美眼を通してそれを表現するか。結局、その2つの間を取ることにしたんです」
Translation by Yuka Ueki

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