【TUMBLING DICE 5】ドレスコーズ / GLIM SPANKY / 挫・人間 三種三様の “ロック” が衝突する熱い夜

By RollingStone Japan 編集部
2016年6月10日(金)恵比寿 LIQUID ROOM / photogragh by junichi itabashi
”ロックバンドを全力で応援する” ためのイベント「HOT STUFF presents TUMBLING DICE 5」。その名の通り、毎回ロックバンドという共通点だけでカラーもキャリアも違う者同士がぶつかり合い、イベントを盛り上げていく。第5弾となる今回は、ドレスコーズ、GLIM SPANKY、挫・人間という毛色の異なる3組が集結。まったく共通点がないかと思いきや、実は深いところでしっかり一本に繋がっていた彼ら。オープニング・アクトから最後のアンコールまで目が離せない、ドラマチックな展開を見せたライヴの全容をレポートする。


「ロックっていうのはお前の人生を救わない。なぜなら、ロックが俺の人生を救うならば初恋のハヤカワミサキと付き合えてるはずだ」/挫・人間


photogragh by junichi itabashi

普通、ロックバンドのヴォーカルならそこで「お前等のくだらない日常を変えてやる」とか言うのかもしれない。しかし、挫・人間のヴォーカル下川リオにいたっては真っ向否定なのだ。究極のインドア派と自嘲し、“全人類への復習” をテーマに結成、世間への恨み節のような歌詞、報われない恋愛。どれをとっても確かに救われていない。「お前等に今からロックが何なのかってことをよく教えてやるから、耳かっぽじって聞いとけ!!」と雄叫びをあげ、癒しや救いを求めてやってきた人々をぶった斬るように『下川 VS 世間』のラップバトルがスタート。下川というバンドマンに世間役のアベマコト(Ba)と夏目創太(Dr)がああでもない・こうでもないと辛辣な言葉を浴びせ、さらにそれに対して下川が反撃。ついには「志磨、お前に言いたいことがある! Baby Baby あんたなんか!」と共演者であるドレスコーズの志磨遼平にまでその攻防が飛び火する始末で、救いようがないし滑稽、それなのに何故か目が離せないという不思議な引力を発揮する。メンバーがマイクを楽器に持ち替え『人類』『セルアウト禅問答』と代表曲のオンパレードで攻め立てる。ハチャメチャなようで計算されたサブカル的パンクロックを奏でる彼らは、歌詞にもあるが “最後のナゴムの遺伝子” と評されるのも頷けるさすがの存在感だ。

さて、ライヴ冒頭の “ロックとは何か” の答えが気になる。すると、MCで下川がこんなことを話し始めた。「サビで俺が右手を挙げるわけ。そうすると皆さんも右手を挙げる。これロックバンドによくあるでしょ。でも、あの人達がやってるのは予定調和っていって腐ったロックの在り方なんですよ。予定調和じゃなくてさ、俺が今からやるのは除霊だよ。初恋の魂、くだらない日常を成仏させようと思った奴だけがサビで拳を挙げろ。その拳がお前の苦悩の結果だ」。なんと、ロックとは人生を救うための音楽ではなく、今までの不幸や苦しい日常を除霊するための儀式だと言う。なんだか妙に納得してしまったところで、ラスト『下川最強伝説』へ。“弱者の味方” 下川率いる挫・人間という存在は、分かりやすく救ってはくれないが、きっと心の底に溜まった負の感情を根こそぎ浄化してくれるはずだ。

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