2パックの母、亡き息子を偲び設立した基金と芸術センターの現在

「私たちは話し合ってきたし、きっとうまくやっていくわよ」。アフェニ・シャクールの妹であるグローリアは、基金についてこう話していた。「でも今は、それがどうなるかってことに、そんなに興味を持っていないの。今の私の問題は、全てのはじまりが彼女の息子で、その息子が亡くなっているってことよ。私の唯一の甥は、もういないの。そして私の妹も亡くなってしまったの。私は空想家ではないわ。私は、今この状況に向き合っているのよ」



元不動産の投資家ジム・バーネット氏は、2年ほどその土地の購入を検討していたという。バーネット氏は、その立地条件が理想的でないことを分かっていながら、車で通りすぎる度に、妻のフェイに購入の希望を伝えていたそうだ。インターステート・ハイウェイ285号線とハイウェイ78号線と繋がるメモリアル・ドライブはというと、産業の回廊地帯として、80年代に絶頂期を迎えたエリアである。バーネット氏が土地を見て回った時には、外の草が約1.5メートルにまで伸びていたという。



近年ここを訪れた多くの観光客と同様に、バーネット氏も建物が廃墟であると思ったそうだ。この時バーネット氏は、アフェニ・シャクールが14年前に土地を購入した時に楽観的であったことを知らなかった。彼女は、舞台用ステージ、ミュージアム、平和を祈るガーデン、またアーティストによるプログラムを頭に思い描いていたのだ。



バーネット氏は、2015年12月にストーン・マウンテンの土地を60万ドルで購入した。当初バーネット夫妻は、建物を大人向けのコミュニティ・センターに生まれ変わらせたいと考えていたが、シャクール家の家族と会った後に、その考えを変えたという。ダンス・スタジオがオフィスに変身した一方で、バーネット夫妻は映画館をJumps R Us(ジャンプザらス)という屋内のプレイ・センターに、そしてガーデンを親水公園にする予定だという。



「アフェニが子供たちのために行っていたことと、パーフェクトに繋がってるんですよ」。バーネット氏はこう言う。「バトンを繋いだと言ってもらえたんです。シャクール家の名前を死なさせるわけにいかないのです」

Translation by Miori Aien

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