シンディ・ローパーが語る、ニューアルバムと大統領選

―ポップの新星になるなら、今と80年代のどちらがいいですか?

今のほうが大変かな。私は『ザ・ヴォイス』や『アメリカン・アイドル』ではうまくやれないと思う。他人のくだらない指図なんて聞きたくないしね。クラブみたいに、感触がよくわかる場所でライヴして『あれはダメ。これはイケる』って確かめることが、私には必要だったのよね。

そういう作業が全部、デビュー作の『シーズ・ソー・アンユージュアル』に繋がったの。全曲アレンジして、レゲエあり、ポップスの名曲ありのサウンドを作った。大きな声とエキサイティングな電子ドラムの音も入れてね。今は他にもたくさんミックスするものがあってすごくおもしろいと思うわ。でも、何が成功への道なのかしら?

―ご自分のスタイルやキャラクターが音楽を埋没させていると思ったことは?

『君のイメージが邪魔で歌が聴こえない』って、お偉いさんたちに言われたことがある。でも会社の人間になんかに、パフォーマンス・アートは理解できない。90年代初め頃だったかな、『本当の姿(トゥルー・カラーズ)は内側から光り輝くものだ』と言われ続けてたら、どんどん地味になってしまって。鏡に映る自分を見て『誰よ、あんた?』って感じだった。袋小路だったの。でも2009年にレディ・ガガに会って目が覚めた。『今度気が向いたら、すごい髪色にしてやるんだ!』って思ったの。

―クイーンズ訛りがトレードマークですが、批判もあります。直そうとしたことはあります?

リアリティ番組『アプレンティス3/セレブたちのビジネス・バトル』に出てた時も、喋り方がおかしいって言われて。でもその後、みんなが私みたいに話すようになったの。慌てたんでしょうね、あの人たち、私の訛りは移るって恐がってた!アクセントの矯正をしに大学に行ったら、『顔の力を抜いてゆっくりと話すんです。そうすればだんだん訛りが抜けますよ』と言われた。でも私、せっかちなの!

Translation by Naoko Nozawa

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