映画『AMY エイミー』:世界中を虜にした歌姫の真の姿を描いたドキュメンタリー

Peter Travers | 2016/07/15 18:00

| アシフ・カパディアが監督を務めた、エイミー・ワインハウスの生涯を描いたドキュメンタリー『AMY エイミー』 |


本作は決して、彼女を悲劇のヒロインとする過剰なドラマ性に頼ろうとしない。本作で描かれるのは、燃え盛る炎にゆっくりと吸い寄せられていく、彷徨える蛾のような彼女の姿だ。そしてエイミーの音楽は、その儚い物語の一部として極めて効果的に使用されている。若かりし日の彼女から親友のギルバートに向けられた『ハッピーバースデー』、そして死の1ヶ月前にベオグラードで行われた、酩酊状態でステージに立ったコンサートでの『リハブ』『ラヴ・イズ・ア・ルージング・ゲーム』を歌う姿が、歌詞とともにスクリーンに映し出される。本編の終盤に映し出される、アルコールとドラッグ、そして摂食障害で消耗しきった彼女の姿には心を痛めずにいられない。しかしどこまでもリアルに描かれる、生身の人間としての彼女の姿から、視聴者は目を背けることはできないだろう。彼女の言葉、音楽、留守電に残された伝言、ホームビデオ、彼女を愛した友人や家族、彼女を追い詰めた人々、そして決して色褪せることのない輝き。本作はエイミー・ワインハウスという存在に魅了されたすべての人々の、心の奥深くに訴えかける。




『AMY エイミー』
★★★1/2
主演:エイミー・ワインハウス
監督:アシフ・カパディア
7月16日より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ新宿他全国ロードショー
http://amy-movie.jp/


Translation by Masaaki Yoshida

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