オリンピックの薬物裁判、ドーピング問題の真実

Dwyer Murphy | 2016/08/18 17:00

| photo by Bloomberg via Getty Images |


これらの違反行為には全て共通点がある。彼らはスポーツ仲裁裁判所、広く知られている名前としてはCASの管轄下に置かれるのだ。

CASはスイスのローザンヌに本部を置く仲裁裁判所で、公判は非公開で行われる。CASは日々の生活の中で、例えばFCバルセロナの移籍禁止の支持やロシアの陸上競技選手の出場停止、あるいは、以前はテストステロン値の高い女性選手は、他の女性選手との競技を望んでも出場資格を剥奪され屈辱を与えられていたが、そのルールを破棄し、スポーツ界における性差流動性を支持する一撃を加えるなど、世界のスポーツ界の”最高裁判所”としての役割を果たしている。その訴訟事件一覧表は、スポーツ界の著名人たちの人名録だ。FIFA、UEFA、IOCなど全ての国際的なスポーツ連盟は、程度の差こそあれ、彼らの最も困難で議論を引き起こす問題を解決するためにCASを頼りにしている。

しかし、2年ごとにCASは何か特別なことを行っている。それはエリートによる"アドホック(専門家による特別な)"部門ー世界中から集まった、多くは元オリンピック選手であり、それぞれの分野における専門家である12人の弁護士、教授、法学者で構成されているーを結成し、高圧的なオリンピックの世界に法と秩序をもたらすことを課すことだ。

事の起こりはこうだ。薬物検査の陽性反応が検査機関から戻ってくる。負けたチームは、彼のスパイクが長すぎたとか、彼女のウェットスーツは浮力がありすぎるといった競技者に対する苦情を申し立てる。

違反に応じてIOCまたはCAS独自の対ドーピング部門(リオオリンピックで初めて大会現場に出張所を開設した)が調査を行い、選手の疑いを晴らすか罰を与える。結果に不満を持つ人は、誰でも1回CASのアドホック部門に依頼することができる。競技開催中は、そこで言われたことが絶対だ。
Translation by Yuka Ueki

RECOMMENDED

おすすめの記事