オリンピックの薬物裁判、ドーピング問題の真実

Dwyer Murphy | 2016/08/18 17:00

| photo by Bloomberg via Getty Images |


陪審員は、その興奮剤がラドゥカンに競争上の優位性を与えていないことを理解していたが、彼女に不利な裁定を下し、彼女は個人総合の金メダルを剥奪された。

「ストレスの多い手続きです」とオリヴォーは語る。そして「適切な決定が、いつでも潔白を証明するわけではありません」と続けた。

アドホック部門が決定に達した時点で、選手の運命が決まる。CASはスイスを拠点とするため、その決定はスイスの連邦裁判所に上訴することができる。しかし、その手続きの展開は遅く、オリンピック競技に留まることを望む選手の助けになるには遅すぎるし、スイスの裁判所がアドホック部門の判決を覆したことはこれまでに一度もない。

不正行為で有罪となった選手たちは、メダルとオリンピックの出場資格を剥奪される。また、それらの資格は大会中の入国ビザとしての役割も果たすことから、資格を剥奪された選手は、主催国から出国しなくてはならない。

リオオリンピック開会式の10日前に、アドホック部門はぺぺビーチの向かいにあるウィンザー・オセアニコ・ホテルで公式に業務を開始した。間もなく最初の事例がジワジワとやって来るだろう(開催前の掲載記事)。権利を侵害された選手が、ドアのところに並ぶ。あるものは本国に送還され、あるものは無実を証明される。12人の陪審員は夜遅くまで事例に取り組み、そして夜明けがやってきて、会議室の扉が開く。そして良くも悪くも、何人かのオリンピック選手の人生が永遠に変えられることになるのだ。



Translation by Yuka Ueki

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