マイケル・ムーアが指摘:「ドナルド・トランプは、本当は大統領になんかなりたくないんだ」

しかし、トランプの選挙活動をメディアが騒ぎたてたことで注目を集め、選挙戦でも勝ち始めると、テレビ局との大口の契約を獲得するという当初の目的はそっちのけで、世界的な注目を集めることに酔いしれ始めた。しかしムーアは、ニュージャージーでの予備選に勝利し共和党候補を勝ち取った後のトランプらしからぬ抑制されたスピーチは、トランプの策略がついに実を結んだ瞬間だった、と指摘する。

「気力も達成感もないものの、選挙活動を開始した当初の計画通り、人々の注目を集め続けなければならないことをトランプはよくわかっている。これはもはやパフォーマンス・アートとは呼べず、彼の仕事のノルマとなっている」とムーアは書いている。

ゴールドスター・ファミリー(戦死者遺族)のキズルさんとガザーラさんのカーン夫妻を批判したり、憲法修正第2条擁護派の人々に対してヒラリー・クリントン暗殺を示唆したりと、日を追うごとに酷さを増すトランプの失言は報いを受けて自己破滅するだろう、とムーアは分析している。

「多くの人々は、トランプが本気で大統領の職を全うしようなんて思っていないことをわかっている。そして忘れてはいけないのは、来る2016年11月8日(大統領選挙の日)の夜、トランプが公に負けを認め、法的に"敗北"を宣言したとしても、彼にとっては"痛くも痒くもない"、という点である。トランプは追い詰められている」。

「トランプは直ちに退場すべきで、そうなれば共和党はポール・ライアンかミット・ロムニーを候補として立てることとなり、大統領選に敗北し、おそらく上院と下院の議席や最高裁判所判事の任命権も失うだろう」とムーアは述べ、さらに「あなたはもう無理をしないほうがいい。あなたは今や、差別と偏見に満ち1%の金持ちを長年に渡って満足させてきた一派の論理的帰結でしかない。そして今、彼らの切り札(trump)はしっぺ返しを食らっている」と、トランプへ向けた個人的なメッセージで記事を締めくくった。

Translation by Smokva Tokyo

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