アリス・クーパーが分析する"奇妙な"米大統領選:「俺はトム・ハンクスに投票する」

米大統領選について、米国民全員が支持する候補者を分かっていないと意見するアリス・クーパー。(Photo by Larry Marano/Getty Images)

1972年のヒット曲『アリスは大統領』の新バージョンを公開したアリス・クーパーが、「"トランプが嫌いだからヒラリーに投票するっていう状況だよね」と米大統領選を分析。
  
アリス・クーパーは、11月の大統領選で誰に投票するか決めているという。トム・ハンクスだ。「彼の名前を書こうかと思ってる」。アリス・クーパーは笑いをこらえながらこう話す。意外にも政治に無関心なハードロッカーが、政治について意見することはこれまでなかった。アリス曰く、ロック歌手はアドバイスを求めるべき存在でないのだ。「俺はファンが"誰に投票するべきかな?"とか聞いてくるのが嫌でさ」と彼は言う。「なんでロックスターが君たち以上に知ってると思うかな?俺たちはロックスターなんだ。つまり、君たちよりも賢くないわけ」

この自虐的なショック・ロックの帝王が、政治で唯一関心を持っているのは、政治の「ばかばかしさ」だという。だからこそ、面白半分に大統領選に立候補したり、1972年の風刺的なシングル『Elected/アリスは大統領』のニュー・バージョンを公開したりしたのだろう。『アリスは大統領』は音楽的には、ザ・フーのピート・タウンゼントの影響を受けているが(「パワーコードを全部使うんだ」とアリス・クーパーは驚いてみせた)、その歌詞は、当時大統領選に再出馬していたリチャード・ニクソン元大統領からインスピレーションを受けている。「ニクソンよりも攻撃的なのは俺だけだってことが分かった」とアリス・クーパーは言ってのける。「だから、"アリス・クーパーを大統領に"っていうのが正しいことだって気付いたんだ」。その年、ニクソン元大統領は97%の票を獲得した。それ以来、アリス・クーパーは大統領選の年には必ず、『アリスは大統領』をライヴで披露している。

Translation by Miori Aien

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