史上最高のパンク・ムービー25選

Tim Grierson, Sam Adams, David Fear, Elisabeth Garber-Paul | 2016/08/27 12:00

| ライオット・ガール・ムーヴメントのドキュメンタリーからラモーンズの結成を描いたフィクションまで、本誌編集部が選出する名作パンクムービーの数々 |


18位『Urgh! A Music War』(1981年)

インディーレーベルが現代のような影響力を持っていなかった当時、多くのパンクバンドが畑違いのアーティストたちで溢れるメジャーレーベルに所属していた。そのうちのひとつ、I.R.Sレコードのマイルス・コープランドが監修を務めた本作は極めてユニークな内容となっている。デッド・ケネディーズやオー・ペアーズが、UB40やオーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ア・ダークと共に出演しているコンサートムービーは他にないだろう。節操がないように思えるかもしれないが、ニューウェーブ・ムーヴメントの真っ只中にあった1981年当時におけるメジャーレーベルのあり方を、本作はリアルに伝えている。寄せ集め感こそ否めないものの、収録されているパフォーマンス映像はどれも秀逸であり、過小評価されがちなパンクのパイオニアたち(ザ・クランプス等)のライブ映像が見られるという点でも貴重な作品だ。SA


17位『1991: The Year That Punk Broke』(1992年)

オルタナティブ・ロック・ムーヴメント前夜に発表された、デヴィッド・マーキー監督によるソニック・ユースのヨーロッパツアーを追ったこのドキュメンタリーには、ダイナソーJr、ベイブス・イン・トイランド、ラモーンズ、イギー・ポップ等のアーティストがゲスト出演している。しかし本作が公開された時、話題の中心となったのは主役のソニック・ユースではなく、その前座を務めたシアトル出身の3人組、ニルヴァーナだった。音楽業界のスラングをもじったタイトルが示すとおり、オルタナロックの爆発的な人気は、同時にその終焉を示唆していた。マドンナの『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』のワンシーンをバカにした様子で真似るバンドのメンバーたちは、やがて自分たち自身がセレブレティになるというジレンマを抱えることになる。『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』が発表される1週間前に公開が終了したこともあり、本作はオルタナロック・ムーヴメント前夜の静けさを捉えた貴重な映像として語り継がれることとなった。SA


16位『アメリカン・ハードコア』(2006年)

スティーブ・ブラッシュによる同タイトルの著書(2001年発表)に基づいて制作された本作は、1980年代初頭にカリフォルニアで誕生し、アメリカ全土を巻き込んでいった荒ぶるポストパンク・ムーヴメントの狂騒を描いたドキュメンタリーとなっている。ポール・ラックマンが監督を務め、グレッグ・ジン、キース・モリス、イアン・マッケイといったシーンの立役者たちが登場する本作には、画質こそ粗いものの極めて貴重なライブ映像が数多く収められている(1981年にフィラデルフィアで行われたバッド・ブレインズの初ライブの映像を含む)当時の様子を語る当事者たちはノスタルジーに浸るどころか、シーンに対する怒りや不満をぶつけてみせる。マイナー・スレットのイアン・マッケイは、バンドの曲『ギルティ・オブ・ビーイング・ホワイト』をめぐる世間の誤った認識について自身の考えを示し、ブラック・フラッグの女性ベーシストのキラ・ロエスラーは、あからさまに女性を蔑視したバンドの『スリップ・イット・イン』のジャケットを目にした時の思いを率直に語ってみせる。EGP

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