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Netflix『ゲットダウン』:バズ・ラーマンが描く、ヒップホップ誕生の知られざる物語

CHRISTOPHER R. WEINGARTEN | 2016/08/27 17:00

| バズ・ラーマンが手がけるNetflixの新シリーズ『ゲットダウン』は、1977年のブロンクスを舞台とした、カラフルでクールなグラフィティが満載の作品だ(Photo by Netflix) |


『ゲットダウン』の制作陣には、ヒップホップの黎明期からすべてを見届けてきた真のレジェンドたちも名を連ねている。ターンテーブルの可能性を世界に知らしめたグランドマスター・フラッシュは、ヒップホップの伝道師ことナズとともにエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。他にもロックの殿堂入りを果たしているフューリアス・ファイヴのラヒーム、ヒップホップ界初の国民的スターとなったカーティス・ブロウ、ズールー・ネイションの創始者アフリカ・バンバータ、そして1972年にサウスブロンクスのレコーディングルームでヒップホップを生み出したクール・ハークらが、本作のオフィシャル・コンサルタントとしてクレジットされている。またザ・ロック・マスターズを率いた伝説のダンサーことウィリー・"マリン・ボーイ"・エストラダや、グラフィティ界の象徴的存在であるジョン・"クラッシュ"・メイトスとクリス・"デイズ"・エリスらも、アディショナル・コンサルタントとして名を連らねている。


左から)ジャスティス・スミス、エリオット・ウィーラー、ネルソン・ジョージ、カーティス・ブロウ(photo by Netflix)

「ネルソン・ジョージと俺は、この作品についてみっちり話し合ったんだ」本作に登場するライムも数多く手がけたナズはそう話す。「グランドマスター・フラッシュもそうだ。当時のニューヨークシティをめぐる状況、そしてハリウッドで起きていたことについて、ネルソンととことん語り合っていた。バズのオフィスの壁には、1977年に起きた出来事の一覧表が貼られていたくらいだ」

ライムの書き下ろしはもちろんのこと、ラヒームは出演者たちに当時のスラングや流行スタイルについて教えたという。彼はこう話す。「70年代のバイブスを徹底的に再現したかったんだ。だからエキストラにも妥協させなかった。クラブでのシーンの撮影中に『ウォッチ・ミー(ウィップ/ネイ・ネイ)』の振り付けを踊ってるやつを見つけた時は、『おい何やってんだ!カットカット!』って感じだった」

「物語の中には、俺が実際に経験したことに基づいてる部分があるんだ。『ゲットダウン』には俺の人生の一部が反映されているというわけさ」ラヒームはそう話す。「後半のエピソードで、とある男がクラブでエンジェル・ダストを大量に売りさばいてて、そこにいた奴らがみんな眠っちまうっていうシーンがあるんだ。それって俺が当時実際に経験したことなんだよ」

「バズたちは細かいディティールまで徹底的にこだわるんだ」ラヒームはそう続ける。「そのエンジェル・ダストのパッケージがどんなだったか、どんな袋に入ってたか、そういうことまで知りたがった。当時の人々はエンジェル・ダストの質の良し悪しを、袋が微妙に湿っているかどうかで判断してたんだ。湿っているやつはホルムアルデヒドに浸かってたってことだからな。試作品のパッケージは、当時ブロンクスで出回っていたものとは似ても似つかない代物だった。当時の愛好家たちなら絶対に手をつけなかったであろう粗悪品にしか見えなかった」
Translation by Masaaki Yoshida

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