全米で増加中、授乳関係を持つカップル(ANR)の実態とは

FetLife上では、乳房の性的な性質やパートナーに母乳を与えるという刺激もさることながら、そういった親密感や繋がりについてが議論のテーマとなることが頻繁にある。「とても親密な行為だけど、性的かそうじゃないかは状況やムードにもよると思います。とても素晴らしい子育てのような感覚が呼び起こされる時もありますが、まるで溶岩の入った熱くて真っ赤なプールが私の身体を奪って、爆発して溢れ出しそうな感じです」との書き込みもある。このように、ANRは多くの人にとって性的なものであり、やってみたいという願望は、母乳を吸う行為に惹かれたり、乳房プレイに強い関心を持つことで生じたりする。そのため、ANR当事者の大多数が、始めたきっかけには性的な側面があることを認めつつも、ふたりの間に生まれる親密感の方が重視されているようである。

「BDSMの世界では、授乳は女性自身が直接作り出したものを与えるチャンスであり、愛情や寛大さを表現する行為です」とギャレットは説明する。「乳分泌のプロセスを行う彼女を見たことがありますが、大きな覚悟が必要な行為です。非常に現実的な方法で彼女の私に対する忠誠心や献身が示されるのです」

ギャレットが言及しているように、乳分泌のプロセスは冗談などではできない。かなりの時間と努力を費やす行為なのだ。チェルシーは、授乳の過程は相当な忍耐力と時間、費用、研究が必要なものだと説明してくれた。55歳のエリーも、自分の身体は母乳を出せるようなものではないと認めているが、「覚悟があるからできるもの」だと述べる。彼女は携帯のアラーム機能を使い、1日中忘れずに搾乳をしているため、母乳の供給を維持できている。

乳分泌自体に関する覚悟だけでなく、母乳の供給が確立できた後は、それを継続していくために、ふたりの関係を代表して相手の分まで、本当の意味での覚悟が必要となる。母乳は需要と供給によって引き起こされるものである。もし、身体がもう母乳は要らないというメッセージを受け取ったら、つまり乳頭の刺激や搾乳が足りなくなった場合、母乳の生成はストップしてしまうだろう。だが、もし定期的に搾乳しなければ、感染症を引き起こし、乳管が詰まってひどい痛みを伴う可能性もある。それゆえ、パートナーのどちらかが相手のために乳分泌を誘発している時に生み出される、高いレベルの肉体的かつ精神的な依存関係に対する覚悟ができるよう、両方のパートナーが積極的に取り組まなければならない。

Translation by Shizuka De Luca

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