"東京発世界行き"注目デザイナー落合宏理が語る、物作りの原点

By Takamura Masashi 2016/10月号 P110〜111 |
Photography by Yusuke Yamatani

「トップジャーナリストやトッププレスのリアクションを生で聞くことができた。ミラノやパリで、ハイファッションをリアルに感じることができました。"〈ファセッタズム〉は、〈ヴェットモン〉に離されちゃダメだよ〟なんて言われたり、トップスタイリストや一流誌のリースが増えたりして。もしかすると、日本から見える遠い"世界"は、自分たちが壁を作っているだけかなって。東京で発信している時に見えてなかった"世界"が感じられました」

こうして世界を知ったことで、無意識のうちに東京の価値を考え始めているようだ。

「東京って実は川や坂が多くて光がキレイ。自分自身気づかない部分も多いんですが。意外な"東京らしさ"を、僕らなりに編集してファッションとして見せたいし、また東京の人にも着てほしい。これは、ミラノやパリに行ったことで芽生えた意識でしょうね。最近そんなことばっかり言っているので(笑)」

そんな落合のクリエーションの源に、ガス・ヴァン・サントの映画『エレファント』がある。毎シーズン、コレクションを始動させる前に必ず観て気分を"リセット"するのだ。

「彼の映画から感じる"ユース感"が好き。言葉にすると、同じ空でも若い時と今では見え方が違って、若い頃見た空の価値の大きさに今気づいて、それを追いかける、みたいな。東京のカルチャーにもそれがあると思う」

この先の10年で落合が築いていくだろうコレクションには、世界を知って感じた東京の"ユース感"を色濃く反映させるだろうか。


神宮前に構えるショップの2階にあるオフィス兼プレスルームで作業をすることが多い。「展示会のやりかたも知らなかった」というところから、あっという間の9年だという。「どこにも属さないでオリジナルでいるのはタフだけど、ついてきてくれる仲間がいる」とスタッフへの感謝も辞さない。

ローリングストーン日本版2016年10月号 
RS Life Style 物作りの原点:相澤陽介


HIROMICHI OCHIAI
落合宏理 1977年東京都生まれ。1999年に文化服装学院を卒業後、テキスタイル会社ギルドワークに就職。退職後の2007年に自らのブランド、ファセッタズムを始動。「スーパーレイヤード」と評される独特なミクスチャー感覚が魅力。2012春夏シーズンより、東京コレクションに参加。2013年毎日ファッション大賞のほか受賞多数。2015年にはミラノ、2016 年にはパリでのランウェイも経験。ポロシャツのイメージを革新的に変えた〈ラルフ ローレン〉のビッグポロに衝撃を受けた少年時代、古着とハイファッションのミクスチャーに勤しんで裏原宿を探索した学生時代、そして社会人時代におけるテキスタイルとの出会い。そのすべてが現在に繋がっている。
Direction & Interview by Tadashi Mochizuki,Edit by Hiroshi Kagiyama

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