グリーン・デイが語る、復活までの長い道のり:新作『レボリューション・レディオ』制作秘話

ピンク・フロイドの『狂気』の発売から20年以上が経過していた1994年にリリースされた『ドゥーキー』が、今や同じく20年以上昔の作品となったことに、クールたちは感慨深さを感じているという。「『ドゥーキー』と『インソムニアック』が出た頃に、よくこう言ってたんだ」クールはそう話す。「いつかクラシック・ロック専門のラジオ局で、レッド・ツェッペリンとかに混じって俺たちの曲がプレイされるんだってね。もちろんジョークのつもりだったよ。でも今じゃマジで、ラジオでレッド・ツェッペリンの次に俺たちの曲が流れたりするんだよ」

パワーコードを多用した一見シンプル極まりない音楽性で、グリーン・デイはキッスに勝るとも劣らないほどのビッグなバンドへと成長し、星の数ほどのフォロワーを生み出した。その影響力は今も決して衰えていない。最近ジェイコブのライブに足を運んだアームストロングは、会場でデストロイ・ボーイズと名乗る10代の少年3人組と出会ったという。あどけなさの残るガレージロックを鳴らす彼らは、グリーン・デイがそうであったように、高校生にしてデビューアルバムを発表したばかりだった。アームストロングが経営するギターショップ、Broken Guitarsで取材が行われていた時、その彼らが店にやって来てこう言った。「俺たちデストロイ・ボーイズって言うんだ!」アームストロングは彼らからもらったTシャツに早速袖を通し、写真を自身のインスタグラムに投稿していた。

多くのベテランバンドたちとは違い、現在でも若いファンを増やし続けているグリーン・デイは、ライブにおける客層も若者が中心だ。しかし昨年、ロックの殿堂入りを果たした1ヶ月後に、彼らが古巣の924ギルマンでシークレット・ライブを行った際、会場に集まったオーディエンスの年齢層はいつになく高かったという。90年代初頭のシーンをリアルタイムで経験した人々で埋め尽くされた会場の雰囲気は、まさに大人になったパンクスたちの同窓会だった。「さすがに感傷的になったよ」アームストロングはそう話す。「フロアにいたのは懐かしい面子ばかりだったからね。当時ピアスだらけで髪を紫に染めてたやつらが、今じゃ白髪まじりなんだよ」アームストロングがそうであったように、かつて「自己表現としての手段」をパンクに見出した彼らは、「教師やアーティスト、それに作家」として、それぞれの道を歩み続けている。

「古い友達にばったり会ったような感じだったよ」彼はそう話す。「40年の間に起きたことを振り返って、自分の人生がどれだけ変化したかを実感するんだ。マジで信じられないけど、人生は長い旅なんだよ。そして今、俺たちはここにいるんだ」アームストロングはため息をついてこう話す。「あれが人生最後のライブだったとしたら、俺は何の悔いもなく引退できたはずさ」

http://wmg.jp/artist/greenday/

映像:激動の過去4年間、そして来る新作について語る、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロング

Translation by Masaaki Yoshida

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