スティーヴン・キングが語る作家人生:原稿執筆、結婚生活、大統領選について

Ulf Andersen/Getty Images

1974年に処女作『キャリー』を発表、その後新たな作品を発表するごと、熱狂的な支持を得ていったスティーヴン・キング。現在では"モダンホラーの巨匠"との名を戴くようになった小説家に、お気に入りの本、結婚生活をうまくやる方法、そしてどう人の記憶に残りたいかについて聞いた。

―作家になってなかったら、どんな人生だったと思います?

高校の英語教師としてはまったくもって適任だったかもしれない。場合によっては、大学の英語講師になっていたかもしれないが。おそらく50歳あたりには、アルコール依存症で死んでいただろうね。結婚生活だって続いていたかわからない。才能があるのにそれをうまく生かせないなら、生きているには辛すぎるからね。

―これまでで得た最高のアドバイスは。

結局のところ、サチェル・ペイジの言葉に行き着く。"振り返るな、追いつくものがいるかもしれない"。自分の仕事を気に入ってくれる人もいれば、気に入らない人もいるだろう。だから、そんな人たちが前の仕事についてあら探ししているうちに、次の仕事に取りかかるんだ。そうすればこっちのものだ。

―あなたにとってのヒーローは?

ひとりめは、ボストン・レッドソックスのデヴィッド・オーティス。彼は自分の役目を果たすことで偉大な人物となったが、決して庶民性を失ってはいない。次にコーマック・マッカーシー。すばらしい作家で、人を楽しませるコツを心得ている。しかも常に個性的だ。もし映画監督を挙げるならマーティン・スコセッシだね。僕の新作『End of Watch』では、登場人物のひとりがこう言うんだ。"たいていの映画監督の作品は短編小説だが、スコセッシのは長編だ"。

Translation by Shinjiro Fujita

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