MMA人気が高まる中、収益確保を模索するブラジリアン柔術

By Sam Blum
Photo by Francois Nel/Getty Images
MMAが多くの観客を集める人気スポーツとなり、巨大なペイ・パー・ヴュー・イヴェントを開催したり、セレブファイターを輩出しているのに、ブラジリアン柔術はずっと控えめなままだった。

1993年に開催された第1回のUFC大会で、世界はブラジリアン柔術(以下、BJJ)を知ることとなった。当時27歳、体重175ポンド(79.3 kg)の中肉中背の男ホイス・グレイシーが、単純ながら強烈な寝技を駆使、そうした技術を知らない選手たちを屈服させ、圧倒的な強さでトーナメントを制したのだ。その後の数年間で、グレイシーの名前はMMAファンの間にすっかり浸透した。ホイスのMMAでの強さ(彼は2003年にUFCホール・オブ・フェイム入りしている)のおかげで、BJJは世界で最も急成長の格闘技として台頭、グレイシー一族は故郷リオデジャネイロから遠く離れた場所でもレジェンドのステイタスを獲得していく。

その後のMMAが多くの観客を集める人気スポーツとなり、巨大なペイ・パー・ヴュー・イヴェントを開催したり、セレブファイターを輩出するようになったのに対し、BJJは控えめな存在にとどまっている。柔術にはしっかりとした競技会システムがあるのだが、選手が権威ある大会のトーナメントで肉体をすり減らして優勝してみても、賞金が贈呈されることはほとんどない。

ところが、長年をかけてBJJ人気が世界中でゆっくりと人気を高まってきた結果、ついに事情が変わってきた。近年、多額の賞金がかけられた大会がBJJの中心を占めるようになり始め、武闘派のアスリートが相手を締め落とすことで多額の賞金を狙えるチャンスが増えてきているのだ。ポラリス、メタモリス、ジ・エディ・ブラヴォー・インヴィテーショナル(以下、EBI)、コパ・ポジオなどの団体が、BJJにプロスポーツらしさを注入しようとしているのだ。BJJを、ESPNで放送されるような他のメジャースポーツ同等に押し上げようと、ビッグプランを練っている団体もある。とはいえ、これまでのところ、成功への道は失敗や、時には首をひねりたくなるようなビジネス感覚で埋め尽くされている。
Translation by Tetsuya Takahashi

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