─キャリアの中でどうして今、愛がテーマのアルバムを?最近、クエスチョン・アンド・アンサーのセッションをやったんだけど、悲観的な曲をもうあまり書いてないことについて話したんだ。そういう感情は、もう扱ってきたから。自分が100%探求したい感情を扱ったんだ。ラヴソングを本当にやってみたいって思ったのは、そういう曲作りが楽しいから。EPを作るっていうアイデアから始まったんだ。ほら、ラヴソングを何曲か作って、それで終わりにするって感じで。でも、コンセプトとして、もっと大きなものになっていったわけ。実を言うと、多くの曲が俺の生活から愛を奪いあげなきゃいけなかった時に思いついたもので、俺が必要としたこと、俺が愛をどう見ていたかってことが表現されてるんだ。ただラヴストーリーを語るんじゃなくてね。もっと深いんだ。
─愛は、いつもおとぎ話とは限らないですからね。その通りだよ。「君にマジで恋してる!」って曲が10曲っていうふうじゃないんだ。そうじゃなくて、その感情と、それが君にどんな影響を与えるかなんだ。女の子に言い寄ったり、恋に落ちることだけを語ってるんじゃない。アルバムは、愛が君にどんな影響を与えるか、君の人生にどんな影響を与えるかについてなんだ。
「退屈っていう理由だけで、ジャズ・アルバムを作ったこともあるんだ」と話すマック・ミラー。(Photo by G L Askew II)─サウンドに注目すると、コンセプト・アルバムなのかなと。確かな感情とグルーヴがありますよね。それが何か分かる?このアルバムの制作責任者として、自分をマジで信じたんだよね。ミュージシャンとしての自分を信じることは、俺にとっての大きなステップだった。今までは、低く自己評価してしまうくらい凄いアーティストやミュージシャンに囲まれてることが多かったから。今作での俺は、「誰がこれをして、誰があれをして、誰が俺よりもピアノが上手いとか関係なく、座って曲を作るぞ。1秒も休む気はないぞ」って感じだったんだ。何回もマスタリングしたのは、俺たちにとって初めてのことだったんだ。俺が求めてるサウンドに100%なるように、全部のミキシング・セッションに参加してね。俺の中で、それが一番最高な制作過程だった。あんな感情とかストーリーがこもったものを扱うなら、特にね。
─ワーナー・ブラザースは、音楽のインスピレーションに従わせてくれたようですね。そうそう!俺には、A&Rがついてないんだ。そんな人を知る必要もなくてさ。それこそ、このプロジェクトの素晴らしい点なんだ。ワーナーみたいな会社に、「やぁ。愛がテーマのプロジェクトに取り掛かってて、歌うパートたくさん必要なんだ。かなりインストゥルメンタルで、今までの作品とは全く違うサウンドになってる」って突撃してさ。そしたらワーナーは、「最高だね!」って。「この人やあの人と手を組むべきだと思う」とか、そんなことは言わないんだ。全くね。俺のことを信用してくれててさ。おかげで、楽しませてもらってる。制作プロジェクトって、楽しいんだ。俺は、音楽を作ることを楽しんでる。俺が楽しんでやってることなんだ。