米大統領選:第1回討論会における19のおかしなやりとり

14 サイバー攻撃について

トランプ:サイバー攻撃に関しては、クリントン国務長官の意見に一部賛成します。万全の準備が必要だが、今は不十分だ。民主党全国委員会(DNC)のコンピュータ・システムへのサイバー攻撃の黒幕がロシアかどうかは誰にもわからない。クリントンはロシア、ロシア、ロシアと言っているが、私はそうは言っていない。ロシアかもしれないし、中国かもしれない。太り過ぎでベッドから動けずに引きこもっているような人間かもしれないし、犯人に関しては色々な可能性がある。そうでしょう? 

15 オバマ大統領の出生証明

ホルト:オバマ大統領の出生証明書は2011年に公開されました。あなたはそれに対し2012年以降毎年、最近では2016年1月に本件について疑問を投げかけるコメントを発信し続けてきました。

トランプ:その通り。

ホルト:ここでお伺いしたいのは、あなたはなぜこの件の追求をやめたのでしょうか? 

トランプ:ほかの誰も追求しようとせず、あまり関心も高そうでなかったからです。今日の討論会でテーマのひとつとして取り上げられることは当然想定していたが、本当に関心が低い。しかし、私もこの件を追求してきた内のひとりだし、オバマ大統領に出生証明書を公開させたのは私の功績といえるでしょう。

16 トランプによるオバマ出自追求キャンペーンで得した人

トランプ:アフリカ系アメリカ人のコミュニティは、私にこの件の追求を終わらせて欲しいと願っていることでしょう。私が追求して出生証明書が公表されたことで、アメリカ国民のみならず大統領本人にも大きなメリットがあったはずです。

17 イラク戦争

クリントン:事実確認担当者にはここからもう少し頑張ってもらわないといけません。ドナルドはイラク侵攻を支持していました。

トランプ:いいや、していない。(筆者註:トランプは確かにイラク侵攻を支持する発言をしていた。)

クリントン:そのことは繰り返し検証され、(イラク戦争を支持していたことは)明らかにされています。

トランプ:いいや、絶対に間違っている。

18 自分を擁護するハニティの言葉を引用した支離滅裂なトランプ

トランプ:記録を確かめれば、私が正しいということがわかります。ハワード・スターンの番組でイラク戦争を支持するかどうか初めて聞かれた時に、「よくわからないが、たぶん」と本当に軽い感じで答えただけです。その後、ニール・カヴートとのインタヴューでは、「(戦争よりも)経済問題の方が深刻だ」と発言しました。さらにFOXニュースのショーン・ハニティとは何度も討論の機会を持ちました。また電話でも彼と話し合いました。彼いわく、イラク戦争を支持する彼と私とでは全く立場が異なり、私は戦争反対派だ、とのことです。

ホルト:あなたの考えの方がなぜ・・・。

トランプ:そして彼が・・・失礼。それらの一連の会話はイラク戦争の始まる前の出来事でした。ショーン・ハニティは、私が戦争反対派だということを喜んで皆に伝えたがっています。しかし誰も彼に直接そのことを確かめようとはしていません。私はイラク戦争には反対していたのです。戦争支持者のショーンと私とが正反対の立場で議論を戦わせたことは、ショーンも認めています。

私は戦争支持派の立場のこともよくわからない。とにかくアメリカはイラクに侵攻すべきではなかったからです。しかし誰もショーン・ハニティに確認しなかった。戦争が始まって間もなく、たぶん2004年のことだったと記憶していますが、ある有名雑誌で私がイラク戦争に全面的に反対している、との記事が出ました。

あるジャーナリストが書いたその記事を読めば、戦前も開戦後もトランプは全く戦争を支持していなかったということがわかってもらえるでしょう。メディアの方にお願いしたい。ショーン・ハニティに電話して確認してください。そうすれば、私が戦争不支持の立場を明らかにしたのがイラク戦争前だったということがわかるでしょう。ショーンと私とはイラク戦争に関してよく意見を戦わせました。私の意見では、イラク侵攻はひどく愚かなことだった。あの戦争は中東情勢を不安定にしただけで、大失敗だった。

Translation by Smokva Tokyo

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