津田大介が語るメディアリテラシー|Web編:「3つの入手経路を確保してバランスよく使う」

By Interview by Joe Yokomizo 2016/10月号 P97〜0 |
今や、ネットの利便性・速さに頼らず生活するのは難しい時代だ。ただしネット上の情報は言わずもがな玉石混交。そこからどうやって石を捨て玉を拾い出せるのか?最新の状況を踏まえジャーナリスト・津田大介氏に聞いた。

―日々、深化と拡張を続けるネットにおけるメディアリテラシーとしては、どんなことがトピックスになっているんでしょうか?

最近、話題になったのは尖閣諸島の写真ですね(8月上旬、尖閣諸島周辺の島を外国船が囲んでいるとされる写真がSNSを通して拡散された)。それが、大量に外国船が来ていると言おうとして、恐怖を煽るために画像をレタッチ、コラージュしていたことがわかったんです。BuzzFeed Japanというネットメディアが検証して、デマだということが記事になりましたが、要はそれだけネットの拡散威力は凄いということ。熊本地震の際もライオンが逃げたというデマが拡散しました。今ネットで流れるデマや炎上には、3つのパターンがあります。まずは先ほど話した尖閣の記事のように、大衆を煽動するための確信犯的なもの。自分たちの信念を正義だとし、嘘だとわかっていながら情報を歪めて伝えるものです。"まとめサイト"もそうです。1つ目がこの政治的確信犯。2つ目は愉快犯。熊本のライオンがこのケースです。ネットを匿名の遊び場とし、いろんな人が翻弄されるのを見て楽しむもの。3つ目はビジネスでやってるものです。実は"まとめサイト"は確信犯と商売のどちらにも当てはまるんです。"保守速報"などは真面目に政治主張としてやっている人もいれば、そういうネタ=マスコミ叩きやリベラル叩きのネタにアクセスが集まり、それで広告収入、アフィリエイト収入が入る。実際にたくさんアクセスが集まっているところは年収数千万円になるから、情報を歪めて発信することがやめられない。この3つパターンはどれも皆情報を歪めて発信することで利益が一致しているので止めようがないということなんです。

―ちなみに、ニュースサイトなどを見ていると、いわゆるネットウヨクの人のコメントが目立ち、そうした意見に会社が翻弄されている感じがありますが。

愉快犯なので反応しないことですね。反応したら相手の思う壺なので。『ネット炎上の研究』(田中辰雄・山口真一著・勁草書房)に書いてありますが、実際に炎上させているのはネット利用者の0.5%しかいないそうです。要するに、その0.5%の極端で過剰な利用者に社会全体が翻弄され、それによって情報発信が萎縮させられてしまっている。
Text by Nanako Kubo (RSJ)

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